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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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第17話:図書館のすれ違い

夏休みの宿題を終わらせるため、蓮は地域の小さな図書館にやってきた。

冷房の効いた静かな館内。空いている席を探していると、窓際の席で熱心に参考書を読んでいる真白さんの姿を見つけた。

(あ、真白さんだ……。私服、やっぱり新鮮だな)

声をかけようか迷ったが、真白さんがあまりにも真剣に勉強していたため、邪魔をしては悪いと思い、蓮は少し離れた席に座ることにした。

集中して数学のワークを解き、気づけば2時間が経過していた。

「ふぅ、疲れた。ちょっと休憩するか……」

蓮が伸びをしていると、トントン、と肩を叩かれた。

振り返ると、いつの間にか真白さんがすぐ後ろに立っていた。彼女の手には、1冊の分厚い図鑑が握られている。

「宮本くん、やっぱり。さっきからずーっと背中が見えてたよ」

「えっ、気づいてたの?」

「うん。入ってきたときから知ってた」

真白さんは静かに蓮の隣の席に座った。図書館なので、2人の会話は自然と囁き声になる。

「何で声かけてくれなかったんだよ」

「だって、宮本くんがすっごく真面目な顔して勉強してたから。珍しいもの見たなーって思って」

「珍しいって言うな」

蓮がむっとすると、真白さんは持っていた図鑑を開き、あるページを蓮に見せてきた。そこには、珍しい深海魚のイラストが載っている。

「ねえ、宮本くん。この魚、宮本くんが怒ったときの顔にそっくり」

「似てないわ! どこがだよ!」

「ふふ、声が大きいよ、宮本くん。ほら、司書さんに怒られちゃう」

真白さんは人差し指を自分の唇に当てて「しー」と言った。その仕草があまりにも近くて、蓮は言葉を詰まらせる。

「じゃあ、私はもう帰るね。がんばって、宮本くん」

真白さんはメモ用紙を蓮の机に置いて、足早に去っていった。

残されたメモを見ると、そこには綺麗な文字でこう書かれていた。

『となり、空いてたのに座ってくれなかったから、ちょっと寂しかったな。明日も同じ時間にいるよ』

蓮は思わずそのメモを両手で隠し、静まり返った図書館の中で、自分の心臓の音が誰かに聞こえてしまわないか、本気で焦るのだった。


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