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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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15/1100

第15話:秘密の待ち合わせ

夏休みも中盤に差し掛かったある日の午後。

蓮のスマホに、真白さんから1通のメッセージが届いた。

『今日の夕方5時、いつもの公園のベンチで待ってます。宿題、手伝ってあげる』

(真白さんからの呼び出し……!?)

蓮は心臓が跳ね上がるのを感じた。友達に知られたら絶対に冷やかされる。蓮は家族にも「ちょっと図書館に行ってくる」と嘘をつき、少し早めに家を出た。

夕方5時、セミの鳴き声が少し静かになり始めた公園。

大きな木の下のベンチに、真白さんは座っていた。学校の制服ではなく、白いワンピースに麦わら帽子という、完全な私服姿だった。

(……めちゃくちゃ可愛いじゃん……)

蓮は一瞬、足を止めて見とれてしまった。

「あ、宮本くん。おそい、1分遅刻だよ」

「あ、ごめん。……っていうか、その格好、なんかいつもと違うな」

「変かな? 夏休みだし、ちょっとオシャレしてみたんだけど」

真白さんはワンピースの裾を少し広げて見せた。

「いや、変じゃないけど……似合ってると思う」

「ありがとう、宮本くん」

真白さんは嬉しそうに微笑み、ベンチの隣をポンポンと叩いた。蓮は緊張しながら、少し距離を空けて座る。

「はい、これ。頑張ったご褒美」

真白さんがカバンから取り出したのは、冷たいラムネの瓶だった。2人の分がある。

カラン、とガラス玉が涼しい音を立てる。

「宿題、どこまで進んだ?」

「うーん、自由研究が全然手をつけてなくてさ……」

「じゃあ、一緒に考えよっか。私の研究テーマ、貸してあげてもいいよ」

2人でノートを広げ、あらすじを話し合う。私服の真白さんから漂う、ほのかなシトラスの香りが、蓮の集中力をことごとく奪っていく。

「ねえ、宮本くん」

「……ん?」

「今日、親に何て言って家出てきた?」

「え、あ、図書館に行くって……」

「ふふ、やっぱり。私もね、『友達の家に行ってくる』って嘘ついちゃった」

真白さんはラムネを一口飲むと、遠くの夕焼け空を見つめた。

「2人でお互いに嘘をついて、ここで会ってるの……なんか、デートみたいだね」

「デ、デート!?」

「そうだよ。内緒の待ち合わせ、私服、2人きり。これでデートじゃなかったら、何て言うの?」

真白さんはラムネの瓶を蓮の瓶にカチン、と軽くぶつけた。

「宮本くん。私とのデート、楽しい?」

「……からかうなよ」

「からかってないよ。私は、すっごく楽しい」

真白さんの横顔は、夕日に照らされて少し赤く染まっているように見えた。それが夕日のせいなのか、それとも彼女の本音なのか、蓮には分からなかった。ただ、ラムネの炭酸が、胸の奥でパチパチと甘く弾け続けていた。


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