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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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109/1100

第109話:特別な味

「もう、蓮くん。無理してカッコつけなくていいのに」

真白は楽しそうに笑いながら、蓮の手にしっかりとチョコの袋を握らせた。

掴んでしまった真白の手首の柔らかさと温かさが、蓮の手に残っている。蓮の顔は、2月の寒さなど吹き飛ばすほど真っ赤になっていた。

「……手作り、本当に作ってくれたんだな」

蓮が小さく呟くと、真白はチャコールグレーのマフラーに顔を半分うずめ、少しだけ視線を泳がせた。

「うん。クレープのときに、特別なやつ作るって約束したからね。……今回は、ちゃんと中にガトーショコラが入ってるよ。毒味じゃなくて、本番」

いつもならここでさらにからかってくるはずの真白が、ほんの少しだけ恥ずかしそうに微笑んでいる。その姿に、蓮の胸は締め付けられるようにドキドキした。

「ありがとう、真白。……家に帰ったら、大事に食べるよ」

「うん。美味しくできてるといいな」

真白はベンチから立ち上がると、少し前を歩き出し、振り返って言った。

「あ、そうだ。蓮くん。来月、楽しみにしてるね?」

「来月……? あ、ホワイトデーか!」

「ふふ、お返しは『照れさせる勝負』の勝ちでもいいよ?」

夕暮れの公園、白い息を吐きながら悪戯っぽく笑う真白を見て、蓮は「次こそは絶対に勝つ」と心に誓いつつも、手の中の温かいチョコの重みに、どうしようもない幸せを感じていた。

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