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週間ランキング49位、月間ランキング74位『となりの席の真白さん』  作者: S.S
中学生 いたずらやからかい

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105/1100

第105話:バレンタインの前哨戦

クレープ屋での勝負から数日後。2月13日の放課後、蓮は教室で一人、翌日のバレンタインデーのことで頭を抱えていた。

「特別なやつ、作ってあげてもいいよ」

あのとき真白が言った言葉が、頭の中で何度もリフレインして離れない。

(本当に作ってくるんだろうか。いや、絶対に僕をからかうためのウソだ。明日、もしチョコを渡すフリをして空箱だったら……悔しすぎる。先手を打つ方法はないか……?)

そこへ、忘れ物を取りに戻ってきた真白がひょっこり姿を現した。

「あれ、蓮くん。まだ残ってたんだ。もしかして……明日の予行練習?」

「な、何言ってるんだよ! 予行練習ってなんだよ!」

図星を突かれたようで、蓮の声が裏返る。真白はトコトコと蓮の席に近づくと、カバンから小さな、可愛らしくラッピングされた正方形の箱を取り出した。

「実はね、ちょっと試作品を作ってみたんだ。蓮くん、毒味してくれない?」

(き、きた……!)

蓮は身構えた。今ここで喜んで受け取ったら、真白の思うツボだ。「実は中身はただの消しゴムでしたー!」なんてオチに違いない。

「ふ、ふん。どうせ中身は空っぽか、変なものが入ってるんだろ? 僕は騙されないぞ」

蓮が腕を組んでそっぽを向くと、真白は少しだけ寂しそうな顔をして、「そっか。せっかく蓮くんのためにガトーショコラ焼いたんだけどな。じゃあ、他の男子にあげちゃおっかな」と箱を引っ込めようとする。

「えっ、あ、いや……!」

焦って真白の手元を掴もうとした蓮の手は、空を切った。真白はニヤリと笑う。

「あはは、嘘だよ。明日ちゃんと本番のを持ってくるから、楽しみに待っててね」

真白はそう言い残して、軽やかな足取りで教室を出て行った。

一人残された蓮は、自分の単純さに頭を抱えつつも、明日への期待で胸が高鳴るのを止められなかった。


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