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異世界遊戯  作者: 王子大好物
生きたチェス
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「逆になぜそれが安心って言えるんだ? 俺はまだ仕組んでいる可能性があるのに」

ジーンは淡々と、真面目な調子で言った。

「未来予知でしょ。あんたの能力は未来予知。確かに普通ならやばかったけど、劣化能力の未来予知なんか怖くない」

リンは胸を張る。自信ありげな言葉に、ジーンは一切表情を変えない。

「ふーん。まあいいか。俺の番っぽいから動くね」

ジーンはそう言うと、盤に突き刺さったナイフをするりと抜き取り、王――ベンの前へゆっくりと歩み寄った。

「何しているのよ、あんた」リンの声が鋭くなる。

ジーンは足を止め、リンを見据えて笑った。

「君は気づかなかったのかな。俺の“真の目的”に。俺はお前にチェックメイトを取らせるための仕掛けと、それを暴かせるための仕掛け、二つを用意していた。お前はそのうちの一つだけを見ている」

「はっ……何を言ってるの」リンが短く吐き捨てるように言う。

ジーンはナイフを軽く振り、刃先を掌で撫でるように見せた。

「で、俺がなぜナイフを投げたか――お前は『能力の正体を暴くため』だと思ってるだろう? 確かにそれも見たかった。だが第一義的な目的は別にある。話は単純だ。分岐は二つ」

ジーンはゆっくりと説明を始めた。言葉は冷たく、かつ丁寧だ。観客の喧騒が少し遠くなる。

「一つ目の可能性は持病だ。人間は、死を目前にした瞬間にもっとも感情をさらけ出す。そこには後悔や恐怖、パニック、それに伴う生理的な変化がある。もしお前のチームに、死が差し迫ると特有の発作や自我崩壊を起こす者がいるなら——極端な恐怖を与えたその刹那に、それは必ず露見するはずだ。だから俺はナイフを投げた」

ジーンの目が鋭くリンを穿つ。リンの胸が一瞬、締めつけられる。

「で、結果はどうだった? 出たのはただの恐怖反応、瞬間的に身体が縮こまる動きまわる。なら死ぬ可能性のあ持病はないから可能性から外れる」

リンの顔がこわばる。だが、口元にはまだ反論の余地を残している。

ジーンは首を傾げて続けた。

「二つ目の可能性、これが肝だ。ルールを読め。勝利条件は『チェックメイト』か『王が死ぬこと』。重要なのは、文面が『殺す』ではなく『死ぬ』になっている点だ。ここがこのゲームの盲点だ」

観客席のざわめきが、不意に大きくなる。リンも眉を寄せる。ジーンは一歩、ベンの前に出た。ベンは無表情にそこに立っているが、指先が微かに震えているのが見える。

「そして俺がナイフをプレイヤーに投げた時審判は止めなかった。今は俺のターンで俺しか動けないつまり、どうなろうが、王が死亡すれば俺の勝ちというわけだ。」

そしてニヤリと笑うと、リンは慌て始めた。

「ジーンを殺せ。」

そう言われずともベンは焦った表情で剣を不老とした瞬間。

ジーンの頭を着る直前で剣が砂のように消えた。

「ルール上。相手プレイヤーの攻撃は禁止押していますのでよって、リンのキングは消滅します。」

そう言うと、ベンが砂のように消え始め。

「おい、ふざけんな。どうにかし」

そういいベンは消えた。

「王が消滅したため、勝者ジーンとなります。」

リンは膝から崩れ落ちて

「あの状態では私は負けていたのね。」

ジーンはそれを否定する。

「流石にそれはないね。あの推理は俺が君に不安感を与えるための嘘なんだよね。」

「えっ?」

「実はナイフを投げる瞬間の時。審判が俺のナイフを消そうとしていた。お前は見ていなかったから気づかなかっただろうが、ベンの時も剣を消そうと構えていたんだよ。」

「つまり、殺さなかったら勝てなかったってこと?」

「だってそうだろ。俺たちが駒を殺せるってなったら観客がクソだと言うからそんなの許されるわけが無い。」

そして一息した後に続けてこう言う。

「でもお前たちは気づかなかった。みんな焦って、考えることやめたからね。ひとつ教えといてやるどんな時でも考えることは大事だ。特に生きている間はずっと考えて置くものだ。」

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