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異世界遊戯  作者: 王子大好物
生きたチェス
45/45

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ナタルは冷淡に告げる。

「リンの敗北により、懸賞金はゼロ。選択肢はただ二つ――奴隷になるか、死ぬか」

観客席から下卑た笑い声が湧き上がった。

「さっさと奴隷になっちまえ!」

「どうせ安く買われて終わりだ!」

リンは唇を噛みしめ、視線を伏せる。

「じゃあ俺が買うのはどうだ?」

ジーンが静かに口を開く。

一瞬、会場がざわついた。

「は? お前が?」

「金なんかあるわけねえだろ!」

ナタルは顔色を変えぬまま答える。

「可能です。ただし、この商品は非常に価値が高い。顔立ち、体の線、そして若い女性であること。――価格は四万マルクス」

その数字に、観客は爆笑した。

「四万!? ジーンの懸賞金と同じじゃねえか!」

「払えば自分も奴隷行きだぞ!」

ジーンはにやりと笑う。

「四万か。……じゃあ、買うよ」

爆笑がさらに大きくなる。会場全体が嘲笑に染まる。

「正真正銘の馬鹿だ!」

「自分から奴隷になりに行くとは!」

――だが、ジーンは静かに言った。

「馬鹿はお前らだ。……俺の懸賞金、水晶で確認してみろよ」

観客は嘲笑のまま視線を水晶へと向けた。

次の瞬間、空気が凍りつく。

「……は? なんだ、これ……」

水晶に映し出された額は、六千マルクス。

ジーンは腹を抱えて笑った。

「見たものしか信じられない間抜けどもめ」

そう言うと観客のブーイングが始まった。

「それじゃあよろしく俺の奴隷。」

そうジーンはリンに手を差し伸ばし、会場を後にした。

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