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異世界遊戯  作者: 王子大好物
魔女裁判
29/45

28

「それでは……ナリノ君が吊るされる。なにか最後に言うことは?」

縄がきしむ音の中、ジーンが淡々と問いかける。

ナリノは苦しげに息を吐き、搾り出すように言った。

「……俺が言うのもなんだがよ。お前、心は痛まねぇのか。お前が誘導して……もし吊られたのが善人だったら、どう思う?」

ジーンは短くため息をつく。

「俺には、そんな感情は無い。勝負ってのはそういうものだ。誰かが貧乏くじを引き、誰かが当たりを引く。ただ俺は、その“当たり”を誰よりも確実に引けるようにしただけさ」

ナリノは歯を食いしばり、首を縛る縄の音に耐えながら吐き捨てる。

「……とんでもねぇ男だ。そこまで俺は悪人にはなれねぇ」

ジーンは無表情のまま、背を向ける。

ナリノは縄に喉を締め上げられながら、かすかに笑った。

視界が滲む。

だがその奥に浮かんだのは、家族でもなく、ヘリーナでもない。

緑に包まれた森。

小さな小屋。

誰にも会わず、誰も傷つけず、ただ静かに暮らす自分。

――それだけでよかった。

最初から、それだけを望んでいた。

暗闇が音もなく訪れる。

ナリノはその夢に抱かれながら、ゆっくりと息絶えた。

「ずいぶんいい夢見ているんだな。」

そうジーンはぼぞっと言った。

そしてヌルノからこう言われる。

「魔女が全員死亡なので村人陣営の勝利。おめでとう。あっちに出口があるからね。」

そういうと、目の前に扉があらわれた。

そうパレードのようにクリアの音楽が流れるが、誰も盛り上がらない。

「あんたのことを許さないから。」

そうヘリーナはジーンの方を睨んでいた。

「別にどうしようがどうでもいい。」

そう扉の方へと向かいゲームからでた。

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