表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界遊戯  作者: 王子大好物
魔女裁判
23/45

22

ジーンは、ヘリーナとの会話を終えてから一時間後、音を立てぬよう自室の扉をそっと押し開けた。

廊下はしんと静まり返っている。足音ひとつしない。

左右を確認し、誰の影もないことを確かめてから、彼はゆっくりとナリノの部屋へ向かい、二度ノックした。

数秒の間を置き、ドアが軋むように開く。

現れたナリノは眠たげな目をしながらも、低い声で言った。

「もう時間なのか? もっと早くても良かったんじゃないのか」

「……色々と考えていてな」

「そうか。なら、ついでに一つ聞きたいことがある」

「その話は後だ。まずはダリルの部屋で話そう」

三人目の仲間の部屋の前に立つと、ジーンは軽く扉を叩き、躊躇なく中へ足を踏み入れた。

「よぉ、ダリル。悪いが、計画の確認だ」

ジーンは低い声で指示を出す。

「まず、神父の部屋に軽くノックをしろ。そのまま入ってもらう。反応があってもなくても構わん、必ず部屋に入り、カードを奪え。ダリル、お前も同行しろ。もし起きていた場合の保険だ」

淡々と告げられる言葉に、部屋の空気が張りつめる。

ナリノが口を開いた。

「さっき言おうと思っていたんだが……お前、この作戦が成功すれば間違いなく疑われるぞ。ルール上、殺されないと言ったのはお前だ。まさか、俺たちを道連れにする気じゃないだろうな」

ジーンは薄く笑った。

「……一日目の会議で、俺の偽ルールに気づいた奴がいたんだ」

その声色は妙に静かで、逆に耳を刺す。

「そいつは指摘しようとしたが、場の空気に流されて黙った。その理由を、俺は突くつもりだ──なぜ黙ったのか、とな」

ダリルが眉をひそめる。

「……だが、証拠なんてないだろう」

「証拠なんざ、でっちあげればいい」

ジーンは肩をすくめ、まるで取るに足らないことのように続けた。

「夜中、隣の部屋から物音がして目を覚ました。廊下を覗くと、そいつが歩いていた──それで十分だ。この状況じゃ、証拠よりも“いつ、誰が何をしていたかを把握している”という印象のほうが効く」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ