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異世界遊戯  作者: 王子大好物
魔女裁判
22/45

21

コンコン――と扉を叩く音が廊下に響いた。

「ガーヴィン、いる?」

ガチャリと音を立てて扉が開く。

「……おや、ヘリーナさんじゃないですか。どうされました?」

柔らかな笑みを浮かべてはいるが、その目はどこか探るようだった。

「こっ……」

ヘリーナは一瞬言葉を詰まらせる。

「こっ?」

「……怖い夢を見ちゃって、眠れなくなったの。だから……あんたの部屋に、少し居させてくれない?」


「ほう……そういうことですか」

ガーヴィンは顎に手を当て、わずかに笑みを深めた。

「いいですよ、中にどうぞ。ただ――」

彼はわざとらしく廊下を見やり、声を落とす。

「いくらこのゲームで暴力行為が禁じられているとはいえ、夜は……何が起こるか分かりませんからね」


「……私、これから死ぬのかな」

ぽつりと漏れたその言葉に、ガーヴィンの視線が一瞬鋭くなった。


「大丈夫ですよ」

口調は穏やかだが、なぜか安心感よりも別の感情を呼び起こす声色だった。

「人は……生きる理由さえ失わなければ、案外しぶとく生きられるものです」


「……そうなの?」

「ええ、そうですよ」

短い返事と共に、彼の笑みはさらに深まった。


「えークローゼットの中に入っていい?」

「いいですけど、ベッドの方が暖かいですよ」


「いいの」

ヘリーナはためらいなくそう言った。

「ここに来る前暗くて狭いところにずっといたから、落ち着く。」


ガーヴィンは軽く笑顔をした。


「そうですか。もう遅いので寝ましょう。明日のゲームも乗り切らなければいけませんから」

ガーヴィンはそう言い、手を伸ばしてろうそくの火を吹き消した。

部屋は一瞬で闇に包まれ、静寂が二人を覆った。


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