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異世界遊戯  作者: 王子大好物
魔女裁判
20/45

19

ジーンはひとしきり呼吸を整えたあと、

キーヴォンの死体を彼の部屋に運ぶことを決めた。

「……ナリノ、手を貸せ」

声をかけ、二人で死体を抱え上げる。

しかしジーンはわざと力を抜き、重さに耐えられないふりをした。

するとダリルがすっと前に出て、無言でその役目を引き受けた。


途中、ナリノが何かを話しかけようとした瞬間、

ジーンは冷たく言い放つ。

「今は、喋る気分じゃない」


言葉に、ナリノは黙るしかなかった。


キーヴォンの部屋に着くと、一度死体を床に下ろす。

ジーンがドアを開けると、再び抱えられた死体は静かにベッドに横たえられた。


ジーンはナリノの耳元に顔を寄せ、低く囁く。

「夜になったら……ダリルと二人で神父を殺せ。俺はシャルロッテをやる。

時間になったら俺が呼びにいく。」


そしてすぐに自分の部屋へ戻るよう命じた。

ナリノとダリルが去った後、ジーンは一人、その部屋に残る。


――何をしていたのか、誰も知らなかった。

やがて戻ってきたジーンの表情は無表情だったが、

その視線はわずかに揺れていた。

それは、仲間の死を悼むようにも、計画を練る者の目にも見えた。


話し合いの場に戻ると、そこには誰もおらず、

吐瀉物と引っかき傷が殺風景さを際立たせていた。


ジーンは誰もいないことを確認し、ある部屋へ向かう。

扉をノックすると、

「誰よ。こんなときに。何あんたか。で、何の用」

ヘリーナの声が部屋の中から返ってきた。


「話がしたい。部屋に入れてくれないか」


「なんで?あんたを入れなきゃいけない理由があるの?」


ジーンは静かに耳元で囁いた。

「俺が元魔女だといったら、入れてくれるか?」

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