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異世界遊戯  作者: 王子大好物
魔女裁判
19/45

18

「おっと──キーヴォンくんに決まったようですね」

天井から降ってくるゲームマスターの声は、淡々としていながらも、どこか愉快そうだった。

「それでは、キーヴォンさん。最後に一言ありますか?」

一瞬の沈黙。

キーヴォンは顔を伏せたまま、短く答える。

「……ないです」


「では──首吊り、スタート」


その言葉と同時に、天井の闇から音もなく縄が垂れた。

縄の輪が、迷うことなくキーヴォンの首へとかかる。

彼が抵抗するよりも早く、無機質な力がそれを締め上げた。


ギシリ、と鈍い音。

ロープはゆっくりと天井へ引かれていく。

足が床から離れ、キーヴォンの身体が宙に浮く。


「っ……!」

息が喉でせき止められ、目が大きく見開かれる。

顔は急速に紅潮し、まるで熟れすぎたリンゴのように赤く染まっていった。

足先が必死にもがくが、虚空を掴むだけ。


その中には、キーヴォンの死体を直視できず、目を背ける者もいた。

ざわめきの中、すすり泣きが小さく響く。


――ジーンは視線をそっとナリノとダリルに送った。

二人はすぐにそれを察し、わずかに頷く。


合図を受けてナリノとダリルは首を押さえ、苦しむふりを始めた。

その演技はどこか不自然だったが、やがて他の参加者も苦しみ始めたため、誰も違和感を覚えなかった。

爪を引っ掻く者や、首を掻きむしる者もいた。


ジーンは状況を見計らい、床を軽く三度叩いた。

それが苦しさが少し緩んできた合図だった。


ナリノとダリルは徐々に苦しみの演技をやめ、息を切らすふりを始める。

他の参加者も同様に息を切らし、中には吐き出す者もいた。


「皆さんお疲れ様でした。これが一通りの流れです。頑張ってくださいね。」

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