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疑いの視線は、次々とキーヴォンへと突き刺さっていった。
でも一人だけ、キーヴォンを疑っていない奴がいた。
「もうやめましょう。まだ初日、初日に魔女なんてわかりっこないよ。」
シャルロッテがそういったでも、だれもその意見に賛同しない。
そして、キーヴォンがこんなことをいう
「……僕は、ナリノとジーンが怪しいと思う」
その声はかすかに震えていたが、言葉には鋭さがあった。
「理由は──ナリノが意見を言うと、すぐにジーンが同調したからだ。まるで最初から仕組まれていたみたいに」
一瞬、場が静まり返る。
――確かに。
その瞬間、ある場面が脳裏によみがえる。
ジーンが部屋に戻る際、ナリノに囁いた声だ。
「話し合いの最中は、君が自然に場を仕切って怪しい奴を指名すればいい。気弱そうな市民がいいな。そういう奴は強く出られないから、いざって時にはもう全員の視線がそいつに集まってる。俺はその意見に同調して、怪しい点を指摘するだけだ。……誰でもいいから指名しなよ」
そして今──ナリノが最初に口火を切り、ジーンが即座に追随した。それは事実だった。
「……確かに、俺はすぐにナリノの意見に同調した。怪しいと思われても仕方ない」
ジーンは静かに認めた。だが、その目は揺らがない。
「でも、人間は自分と同じ考えを持つ相手には自然と共感し、つい饒舌になるものだ。こんなゲーム、早く終わらせたいと思えばなおさらね」
言葉が落ちると、キーヴォンは口を閉ざした。反論の言葉が、喉の奥で固まる。
沈黙。
そのとき、天井から湿った声が降ってきた。
「もう決まったっぽいから、投票していいよ」
目の前に、漆黒の投票ボックスが現れる。
「触れると、自分が投票したい人物の名が、脳から直接この箱に送られる」
それは説明というより、命令の響きだった。
「待ってくれ、みんな考え直してくれ! 僕じゃないんだ、本当に!」
キーヴォンは必死に声を張り上げる。しかし誰一人として耳を貸さず、次々と冷たい指が箱の表面に触れた。
指先が触れた瞬間、脳の奥に細い糸が差し込まれるような感覚が走る。
思考が吸い取られ、戻ってこない。
やがて全員の投票が終わり、結果が視界いっぱいに浮かび上がった。
一番多くの票を集めた名前はキーヴォン。
その次に表示されたのはジーン。しかし、それはたった一票。
誰が入れたのかは、考えるまでもなかった。




