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異世界遊戯  作者: 王子大好物
魔女裁判
14/45

13

「は? なんでお前が――」

 男が反射的に反発する。しかしジーンは首を横に振り、静かに遮った。


「いいか。お前らは“ただの魔女”だ。つまり、何の能力も持っていない。ただ、隠れることしかできない。」


 言葉に詰まる男を見下ろし、ジーンは続けた。


「でも俺は“元魔女”だ。お前らが誰か、最初から知ってる。――そして、“喋れない”。」


 その言葉と同時に、一歩、男に詰め寄る。


「裏切れない立場にある俺にとって、お前らは最も使いやすいコマだ。だから俺が動かす。嫌なら――勝手に死ね。」


 その眼光に射抜かれ、場が一気に凍りつく。


「……ふん、威勢だけは一丁前だな」


 男は舌打ちしながらも、それ以上の反論はできなかった。ナールは目を逸らし、口を噤んでいる。


 ジーンはそれを確認すると、口を開いた。


「このゲームの本番は、夜だ。」


「なぜ夜なんだ?」


「このゲームのルールでは、“話し合い中”に限り、暴力も殺人も禁止されている。だが――それ以外の時間は、全てが可能だ。そこが、このゲームの穴だ。……奴らは気づいていない可能性が高い。」


「でも、それじゃ警戒されるんじゃないか? “夜は危険”って思えば、寝ずに起きてるやつも出てくる。」


「問題ない。俺たちは“偽のルール”を用意する。」


「偽のルール……?」


「ああ。このゲームでは“話し合い中は暴行・殺人は禁止”とあるが……それを“暴行・殺人は一切禁止”だと、わざと勘違いさせる。あくまで“ルール確認”という体で、それとなくすり替える。」


「……でも、それってバレないのか?」


「いや、バレないね。似たような表現ってのは、意外と気づかれない。しかも嘘をつくときは、真実と混ぜて話すのが基本さ。」


「……なるほど。で、どうやって殺すんだ?」


「それは――“カードを奪う”ことだ。」


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