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「は? なんでお前が――」
男が反射的に反発する。しかしジーンは首を横に振り、静かに遮った。
「いいか。お前らは“ただの魔女”だ。つまり、何の能力も持っていない。ただ、隠れることしかできない。」
言葉に詰まる男を見下ろし、ジーンは続けた。
「でも俺は“元魔女”だ。お前らが誰か、最初から知ってる。――そして、“喋れない”。」
その言葉と同時に、一歩、男に詰め寄る。
「裏切れない立場にある俺にとって、お前らは最も使いやすいコマだ。だから俺が動かす。嫌なら――勝手に死ね。」
その眼光に射抜かれ、場が一気に凍りつく。
「……ふん、威勢だけは一丁前だな」
男は舌打ちしながらも、それ以上の反論はできなかった。ナールは目を逸らし、口を噤んでいる。
ジーンはそれを確認すると、口を開いた。
「このゲームの本番は、夜だ。」
「なぜ夜なんだ?」
「このゲームのルールでは、“話し合い中”に限り、暴力も殺人も禁止されている。だが――それ以外の時間は、全てが可能だ。そこが、このゲームの穴だ。……奴らは気づいていない可能性が高い。」
「でも、それじゃ警戒されるんじゃないか? “夜は危険”って思えば、寝ずに起きてるやつも出てくる。」
「問題ない。俺たちは“偽のルール”を用意する。」
「偽のルール……?」
「ああ。このゲームでは“話し合い中は暴行・殺人は禁止”とあるが……それを“暴行・殺人は一切禁止”だと、わざと勘違いさせる。あくまで“ルール確認”という体で、それとなくすり替える。」
「……でも、それってバレないのか?」
「いや、バレないね。似たような表現ってのは、意外と気づかれない。しかも嘘をつくときは、真実と混ぜて話すのが基本さ。」
「……なるほど。で、どうやって殺すんだ?」
「それは――“カードを奪う”ことだ。」




