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異世界遊戯  作者: 王子大好物
魔女裁判
13/45

12

「それでは、“元魔女”のカードを持つ者は、最初に皆が集まっていた広間へ」

 声が響き渡り、ジーンは歩を進める。転送の浮遊感がまだ身体に残る中、指定された場所へと戻ると、そこには既に二人の人物がいた。


 一人はナール。そしてもう一人は、いかにも厄介そうな面構えの男だった。


「やあ、君が“元魔女”とはね」


 ナールが人懐こい笑みを浮かべながら軽く手を振った。


「いやぁ、僕たちのせいで死人が出るかもしれないけど、仕方ないよね。ゲームだし」


 その軽口とは裏腹に、男の目はジーンを値踏みするように細められている。


「でさ、君は僕たちのこと――言えないじゃん?」


 ナールが指を立てる。


「お互い、協力しようよ。“うまくやる”ってことでさ?」


 ジーンはしばし黙し、ゆっくりと相手の目を見据えた。


「……いいのか? 自首しなくて。お前の隣にいた女、死ぬかもしれないぜ?」


 ナールの表情がわずかに揺れる。しかし、すぐに無理やり笑顔を貼り直した。


「……幼馴染だよ。そりゃ心苦しいさ。でもね、助けたら――僕が死ぬ」


 笑顔の奥に、薄氷のような自己保存の意志が透けて見える。


「みんな、自分が一番大事なんだ。仕方ないよね?」


 ジーンは目を細めながら、後ろの強面の男に視線を移す。


「で……お前は、この中に知ってる奴がいるか?」


「は?」


 男の眉がひくついた。


「あァ? 誰に口きいてんだコラ」


「もう一回聞くぞ」


 ジーンは声を変えずに繰り返す。


「この中に、知ってる人間がいるか?」


 男は舌打ちし、目を逸らすように答えた。


「……いねぇよ。なんでそんなこと聞くんだよ?」


 ジーンの口元が、わずかに持ち上がった。


「いや、“普通”はな。敵が友人だったり恋人だったりすると、途中で感情がブレて――リタイアされると困るからね」


「じゃあ君はどうなんだ。綺麗なお嬢さん連れてきているけど。」



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