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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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最後の殴撃

 ドンッと大砲のような轟音と共に空から大岩が降り注ぐ、それを最低限の動きで躱し、避ける隙間のないものは魔法で弾く。


 銃の引き金を引き三発の銃弾は風の壁に当たり、相手の腹部に着弾したが、肉を少し抉っただけで殆どダメージが通っていない事が遠めでも理解できた。


 (風を切り裂く銃でも殆ど通らないか、出力最大の44口径リボルバーだぞ、クソッ)


 今度は落石を足場にして何とか、距離を詰める、目の前まで来て拳を振りぬく直前に、目の前から奴の姿が一瞬にして消えた。


 次の瞬間、殴ろうとした空間から見えない何かが、腹部に命中して、自分の身体が地面を何回かバウンドして、地に伏す、口から血反吐を吐き、胃の中と一緒に激しく腹にたまったものを逆流させる。


 「ご、ごぼっ」


 (クソッ、ダメだ、今、何をされたかすら分からない、回復も再生も役に立たないのか)


 ~数か月前~


 「再生能力?」


 おじいちゃんと顔を合わせて話す。


 「そうだ、僕たち魔人は人間のような回復とは違う再生能力を有している、身体が裂いても生きてさえいれば、再生能力が働いて復元される、だが、それは生命力を使い無理矢理繋ぎとめているに過ぎない、もし、そのような事が起きて再生能力が無意識に発動していたのならば、それは、生命の危機だと思え、お前の耐久力からしたら、100分の1の耐久になったら発動するだろう」


 現在


 (一発だけであの威力、至近距離で殴り合うのは危険だ、だからと言って銃弾も効かないだとすると、残る手は…)


 【破壊術式、今全部使うしかないってわけね】


 (あぁ、そうだ、先程の攻撃は恐らく消えたのではなく、保護色のようなものだろう、一瞬の隙をついて反射的にあいつを蹴ったが、鋼鉄のように硬かった、それで今、再生能力が発動しても回復が追いつかない、何とか、肺に刺さったあばらを直して引き抜いたが、まだ相手に何のダメージも与えていない)


 【そう、ならば出し惜しみする前に出してからやるしかないわね】


 「了解!」


 両腕を天にかざして魔力を込める。今まで計測不能の魔力量、そのすべてを身一つで反動を受けて、最大の魔法をぶつける。


 「ゼウス・エクス・マキナっ!」


 その魔法は阿鼻叫喚を巻き起こす。獄炎を呼び氷河を作り出し針山が落とされ、雷鳴が這い出る。その衝撃はどんな生物であろうと術者含め、瀕死になる程の傷を負う事になる。


 その魔法は使うと必ず魔力が尽きる、その術者が魔力が多ければ多いほどその地獄の威力は増すが、諸刃の剣である為、肉体が引きちぎられる程の痛みが続く。


 「……こんなに、威力があるなんてな…しかし、俺を倒すには後、今のを20階は食らわさないとな」


 全ての魔力を込めても奴は五体満足で立っていた。肩から流血して腰から足にかけて大きな縦一文字の傷を負いながら、不敵な笑みを浮かべ目の前に立っていた。


 「ぐぶッ!」


 腹をけられ、床を転がる。


 「せっかく、楽に死なそうと思ったのにきみのせいだぞ?ボクの優しさで痛みを感じさせないように、最初から全力で戦ったっていうのに、それをふいにして、ムキになっちゃって…さっ!」


 続けざまに蹴られ更に床を転がる、頭をつかまれ、手刀が心臓に向けられる。そして、手刀が心臓を貫いた。


 その瞬間


 「なっ…にっ…!?」


 心臓を貫いたのは奴ではなくこちらだった、それだけでなく、肩からの流血、腰からの縦一文字の傷でさえ、入れ替わっている。


 「きっ貴様…いったい何を…」


 「破壊術式 理不尽な過程」


 相手の立場、傷、状況全てを逆にするまさに理不尽と呼ぶにふさわしい術式だ、その条件は厳しいものであり、相手が自分に触れていなければ、発動できない。先程の最大魔法はそれを気取られないする為の罠、最大の魔法で攻撃すれば多少のダメージを与えられるが、倒せるほどのものではないが激昂すると思い、使ったのだ。


 結果読み通り、なぶり殺しするかのように何度も手加減をして蹴ってくれた。


 「そして、今度はこちらの番」


 「くっ…」


 「破壊術式、獄懐の槍」


 地面から漆黒の槍が、腹部を貫き通す、それは今まで攻撃が通らなかったのが噓のように、柔らかいパンをナイフで突き刺すように


 「まだまだ、ため込んだ破壊術式はこんなものじゃない、これも、これもこれもっ!!全部受け取ってくれやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!!!」


 一発撃つごとに塔が大きく揺れてその衝撃は海を揺らす程の物だった。


 しかし、その代償は大きかった。肉体はほぼ限界を迎え、身体中の全てから血が吹き出し、立っているのがおかしい程だった。


 そして


 「…まだ…立っていられるんだな」


 「…とう…ぜん…だ…耐え、きった…ぞ…次は、俺の…ば、ん」


 「…違うな、俺たちには、もう一つしか…やれることはな、い」


 「…あぁ」


 二人共、拳を握りしめる。


 「この拳に技なんてない、術もないただの力しか込めない」


 「だからこそ、最後を飾れる」


 息を整えて、そして―


 「うおおぉぉぉおおぉぉああああああぁぁあああああっっっっっっっっ!!!!!!!!!」


 「ぬぅおぉぉぉぉぉぉおおおおぉぉおぉぉぉぉおおぉっっっっっっっ!!!!!!!!!!」


 

次回5月17日月曜日予定

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