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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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武器の真価

~第四階層~


 パァンと鳴る銃声とドォンと叩きつける音が鳴り響いていた。


 「チッ、図体がでかくて獲物を多く持っているからすっトロイかと思ったのによぉ」


 (速い、だが、攻撃が全く当たらないってわけじゃない、相手が持っている者は全部が近距離武器、大鉈、刀、金棒、槍、大槌、ありふれた武器ではあるが、当たった時点で死ぬだろう、実際先程叩きつけた衝撃だけで体内にダメージが入った、芯には入ってないから、こちらの動きに害はない、だが、今まで以上に警戒しているものがある。それは…)


 「素手」の攻撃だ。


 ゲールが使っている武器は特に何の変哲もないただの武器、叩きつけたり壁に打ち付ける攻撃をするたびにヒビや刃こぼれが入る。今までで三本の武器が使い物にならず、捨てている。だが、数ある武器もいずれ無くなる。


 もし、もし今使っている武器が無くなり肉弾戦になったらこちら側が圧倒的不利な状態になるのは当然だろう。


 だとしたら、短期決戦に持ち込むのが最善だ、しかし、持っている銃はハンドガン二丁、マシンガン一丁、マグナム二丁、そして…


 どれを使うにせよ、もしここでこいつを倒せたとしたら、次の階層で助太刀をするとなるとこれらの銃はどれかを温存しなくてはならない。


 ヒットストップ性能が高いハンドガン、連射を駆使して相手の動きを制限するマシンガン、威力が高いが連射がハンドガンよりも劣るマグナム、特注の魔力弾を打ち込むオリジナルガン、これらのどれかを打ち尽くして助太刀にしなくてはいけないというのか。


 (予備弾薬は、それぞれの銃に三十発、つまり二丁ある銃には最大リロード15発までとなる。今まで撃った弾丸は六発、つまりハンドガンは後、24発しか使えない。改造に改造を重ね、最大装填が十五発にしてあるが、それまでに相手の武器がおしゃかになって素手に切り替えるか、見極めが大事だ、それでも…)


 ギリアは今までゲールに当てた場所を見る。


 (当たった後はあるが傷跡しか残っていない、体の中に弾丸が残っているわけでも、貫通して逆側に抜けもしていない、皮膚が鋼鉄のように硬いのか、血が出ている分全く聞いていないというわけではなさそうだが…)


 ゲールは大きく武器を振りかぶり、振り下ろす。ギリアは後ろに飛び退こうとするが、壁と近かった為完全に避けることが出来ず、多くの武器の雨がその身体にうけてしまう。


 「グッ!!うぅ…っ!!」


 咄嗟に背中で攻撃を受けたが、身体は悲鳴を上げてミシミシと鈍い音が鳴る。


  (クソッ、やられた。背骨にヒビが入って肋骨も何本か折れた、呼吸ができる分肺に刺さっているという事はなさそうだが…再生能力は悔しいが九魔柱の中では最弱、完治には時間がかかる。考えている間に壁に追い込まれているのに気づかなかったとは、不覚っ!)


 「ヌうっ…まタ、使イもンにナらなくナったゾ、こンなナマクラ…!モウ、こんナオモチャは要らネぇ!ブッ叩いテ潰す、それだケで十分だ!!」


 最悪だ、ダメージを受けた後に恐れていた事が起こってしまった。相手が素手に切り替えてしまった。


 先程の攻撃で防具は残りが腕にプロテクターが一つ、足の甲に一つ、フロントの胴に一つ、それ以外はさっきの衝撃で全部壊れた。


 (これ以上の攻撃の被弾は流石に凌がなくてはならない、しかし、防御はさっきの攻撃で殆ど無意味であることが分かった。しかし、回避行動に移っても、激しく動いて折れた骨がいずれかの

器官に突き刺さり、異常をきたしてもおかしくない)


 「ヌオアァァァァァっ!!」


 ゲールが拳を振り上げ、滅茶苦茶に打ち付ける、その衝撃波はこの階層全体に響き渡る程の威力だ。


 衝撃波が身体にまとうように包み傷口がさらに開き続けざまに放たれる衝撃波が、傷に響き渡る。


 「ぐ、あぁ、ごふっ…」


 血を吐き、膝をつきそうになるのを気合で耐えながらも相手を睨む。既に思考を巡らせる気力も残っておらず、フラフラと立ち上がると、衣服を脱ぎ捨てる。


 すると脱ぎ捨てた衣服がもぞもぞと蠢き、ガシャガシャと金属がこすれる音が聞こえる。


 ギリアが衣服を取り、姿を現したのは、ミニガン、ガトリングと呼ばれる物だった。日本語での別名「無痛ガン」約7㎜の毎分3000発撃ちこむ100㎏にも及ぶ重量、別名の通り、この銃で撃たれると痛みを感じる前に死に至る。


 しかし、それはどんな生物であってもというわけではない。


 そう、例えば、目の前にいるやけに硬い皮膚を持っている奴がこのガトリングの餌食になると…



 「ヌゥ…グッグオオオオオオオオオオオオッッッッ!!!!」


 激しい痛みが身体中に走り、絶え間なく降り注ぐ銃弾は衝撃波すらも切り裂き、身体中に走る痛みは死ぬまで無くなることはない。


 射線から逃れようと、既に遅い、足は穴だらけになり、武器である拳は血で濡れて動かすだけでも激痛が走る。


 最後に彼が見たのは、目の前に広がる銃弾の嵐と吹き上がる自身の血液、そして、それをたったの「一人」で操る、魔人の姿だった。

次回4月5日月曜日予定

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