最後の仮説
さて、大体の情報をかいつまみながら、ゴスペルの情報をまとめて整理してみよう。
「ゴスペルは昔、初代魔王様が相手にした団体、という事でいいのでしょうか?」
「それだけでなく、遥か昔、それだけじゃなく、人間との和解の案の時からいたんじゃないのか?」
「でも、和解の話を人間側の多くはその話を受け入れなかった。その原因はまさか…」
「ゴスペルだろうな、何か魔神軍に恨みがあったか、別の理由か…」
「ひとまずは、発端として置いておくか」
まず、ゴスペルの一人預言者はヴォルヘンに赴きあの時の元国王を暗殺して、それを目撃した親族ラファエルを幽閉した。
「その後、なり代わりを果たしたあいつは情報を流した」
「ヨアケガラスであるレンと勇者の話ですね」
「しかし、ヨアケガラスは東へ引き渡して、勇者をこっちに向かわせたのに三代目に冷静な対応をされて魔剣などの武器は今は魔王様が待ってるんですよね。しかも、話し合いで戦力増強をしてしまった」
今思い返してみると、立場が逆だったら可愛そうに思えてきたな。引っ掻き回そうとして別々に行動させたのに、同一人物の采配一つで敵に塩を送る結果となったって、世界を巻き込む話が無かったら、バラエティー番組で再現VTR作れるかもしれない。
「さて、そこで疑問を解決させようか、預言者は何故そのようなことをしたんだろう?」
「それは、私達を引っ掻き回そうとしたからでしょう」
「なぜ?」
「私たちが邪魔で目的のためには存在自体が面倒だったのではないですか?」
「じゃあ、預言者は独断でやったのかな?」
「それはないでしょう、ゴスペルはグループ、もしくは多くの団体、もし、預言者がトップである人物でも穴があれば埋めるのが自然です」
「じゃあ、俺たちのように幹部がいるとしよう。幹部はその穴を埋めるように指示した。何故なら引っ掻き回そうとして隙の少ない案としてさっきの事をした。しかし、いっぱいしてしまった。そこで預言者はどうした?」
「…!逃げてない!!」
リネアが声を荒げて気づいた。因みにNATSUKIに気づかれないようにテレパシーで会話をしている。
「そう、逃げてないんだ、なんで?普通なら作戦が失敗した時点で逃げの一手だろう」
「でも、それは、王様がいたからじゃないか?生贄か実験台として子供が必要だったんでしょう?」
「でもさ、王様は子供を引き渡すだけじゃなくて自分自身でも子供を実験体として研究してたでしょう」
「なぜ?」
「それは、あの鱗のようなものが生えた胎児が必要だったんじゃない?それも王様の独断じゃなくて預言者の命令だけど」
「じゃあさ、俺たちがもし、ヴォルヘンを襲っていなかったら今も実験は続いていた?」
「それはないでしょう、彼らの目的は降臨、そのために生贄の子供が必要、でも、この大陸では子供の調達がされていない既に規定量は達していると思います」
「じゃあ、王様がやっていた命令で作っていた胎児は?」
「…まさか預言者は」
「国を操るだけでそれ以外の事は関わっていないんだろうね。王様が負けると一目散に姿を消したし」
ここでゴスペルの力関係は見えてくる。
「預言者はトップではなく部下、それに命令をしたやつがいる」
「なるほど、預言者はプランニングを考えた幹部に言われただけでそれに従っているに過ぎないんだ!…待てよ?だったら何で、わざわざ法力を使うなんて真似をしたんだろう。それに幹部があれこれしろって命令しても、撤退の事まで設定するか?」
「そう、成功の事しか考えていない。それに、上手くいかない場合の事を考えて、預言者があれこれ口出しをするんじゃないのかっていう考えに行きつく」
「預言者も王様と同じ様な状態になっていたのは?」
「じゃあ、比べてみよう王様と預言者、立場は預言者が上としよう」
「王様は前国王暗殺、勇者派遣、人体実験、後、確定ではないけど噂も?」
「預言者は、噂、ヨアケガラスの育成、子供をサディーがある大陸へ移送、王国の操り」
「ここまで言えばわかるよね」
「分担と判断力…っ!」
「そう、王様は傀儡として動いただけで自分から動いたのがほとんどない、あったのは僕たちが正面衝突した時ぐらいだ」
だけど、この後に偶然にしてはタイミングが良すぎるアクシデントが起こった。
「そこでルーツを襲った犯人が出てくる」
「確か、臓器が滅茶苦茶なっていたんだっけ?」
「うぅ、おもいだしたくないよぉ…」
「ここでは力関係の話だけをしましょう。恐らくルーツを襲った奴は幹部の一人実際今まで話に出てくるのが少なかったし、巧みに立ち回っている感じ」
「預言者とルーツ襲撃者の奴らは同じ様な能力を使えるって仮定するとどんなことがあげられる?」
「えーっと預言者は自己顕示が激しいっていうのかな?わざわざ命令を下すなら密会を頼んだりもするし、それに比べるとルーツ襲撃犯はその場で対応しているような」
「ここで既に自ずと答えは見えているんだ。預言者はマニュアル作成をした幹部に一切の口出しをせずに従い自分だけが逃げるプランは自分で考えていた。幹部は自分が安全圏で一方的に相手を甚振れる自信と実力があった。その場の軌道修正がそれを物語っている。そこから導き出される派閥は…」
「自己顕示欲の預言者と巧みな軌道修正が得意な幹部って事これで一丁上がり」
3月1日月曜日予定




