法力の謎
「~♪」
「楽しそうですね、シンシアさん」
「そりゃあそうですよ、完全勝利で飾れたんですもの」
「まぁ、オークションは今までよりも大盛況、私としても大満足、ただ今一つ満足できないのは私が案内役を押し付けられたことかな」
「案を出したっていうのもあるけど、物の価値っていうのもあるからね」
「0には何をかけても0ですからね~」
「さて、案内ついでに他の村長から情報メモを貰ってきたんで、それについても答えましょう」
特に関係とかはもういい感じがするんだよな、目的、居場所、ただ分からないのは容姿だけ、それ以外は仮説が正しいと思う。だけど、他に一番気になることは…
「何か不思議な力による現象について心当たりはない?」
法力によって使える力は何か世界に影響を与えることができる。そのことで対策は出来なくとも、予め阻止は出来るのではないのだろうか。
「不思議な力ね…もしあったら、村長会議で話すだろうし、でも、そんな話題は…あっ」
「何か思い出した?」
NATSUKIは直接的なものではないと予め付け加えて話した。
「これは前に村長会議に出席したときの話なんだけど、今と違って会議はけっっこう長引くものでね。まぁ、ロランドが出来たばっかりだったし、仕方ない話ではあるんだけどね。
それでね。帰った時に村のみんなが早かったねって言っていたんだよ」
「早かった?」
「そう、早かった。おかしいよね?村長会議は毎月一回は必ず、多くて月三回は行うんだよ。しかも往復でも数日もかかるんだし、それで早かったと言っても出発の時間も帰りの時間も予定時刻なのにどうしてそういう事いうのかわからないんだ。それで、その後気づいたんだけど、驚くことに、村のカレンダーが、5日ほど遅れていたんだよ」
「5日も!?」
「おかしいよね?いくら寝坊助でもそんなに寝ることは不可能、昏睡状態にでもならないとね、でもウイルスや毒がある植物やそのようなものは感知されていなかった。それにそのようなものがあったら、他の村も被害が出ていないとおかしいんだよね」
「そんな不可思議な事があったのに村長会議で言っていないの?」
「その時は余り時間概念が薄かったからね。その5日間に自分が何をしていたのか疑問に思う人も少なかったの、でも、私はそういうのに疑問を持つ方よ。でも、数人に聞いたところで自分の正気を疑う事を恐れた。その人…いや、全員忘れた日の事を疑問に思う事すら忘れているようだった」
「それって…」
「まるで別人、いえ 心がない人形。それを見て私はそれを追求することが出来なかった。そうすることで違和感が無くなればそれでいいと、忘れかけた所で…」
「ごめんなさい、それ以上は言わない、でも、違うことには答えて」
「はい…すみません、こちらも取り乱してしまいそうになって」
トラウマを想起させるだけでこの震え、しかし、記憶を無くす、それも5日間という特殊な間というワード。
「みんな、どう思う」
「ありえねー、5日間以上も出来たとしても回りくどい道を通るしかねぇ」
「ホビルの言う通りです。記憶などの疾患の類としても、その症状は異常です。記憶をなくすなら脳の器官を狂わせてショックを与えると記憶は消せますが、それは全ての記録情報、自分の名前すらも覚えていなくとも言葉や歩き方まで忘れることはない。
それだけ軟な記録処理のものでもなければ、しかも、そのことについて疑問を持つ事すら忘れるっていうのは常識を逸しています」
「…という事は」
「ええ、法力の力を使っているとしか思えません」
ぶっちゃけると、あり得ない、法力や魔術、魔法それぞれの分野は違うけど法力はそんなポンポン使っていいものなのか、デメリット無しでできる奴なんて意外なところに落とし穴があるものだ。
法力の場合、不可逆が疾患だろう。だが、不可逆は使用用途さえ押さえれば実質デメリットではない。むしろメリットとなる。しかし、疑問を持つことについて忘れるというのはデメリットがはるかに上回る。
疑問を持つ事を無くすのは失敗を失敗とも思わずになってしまう、いろんなことに音痴になってしまう。失敗を失敗とも思わず同じ過ちを何度も何度も繰り返す。その事は連鎖となって広がり拡大していく。
「でも、ゴスペルの人たちって今まで姿すらハッキリさせていないのにそんな致命的なミスを犯すか?頭が足りないあいつらが、そんなミスすぐにでも修正できそうじゃないか?わざわざ足跡を残すほど追い詰められていてもそれをリスクを冒してでも直しそうなものだけどな…」
「一枚岩じゃなかったらっていうのはどうかな?」
「…つまり派閥があるって事?」
「目的、手段は一緒としても必ず同じ思考を持っているわけじゃない。だとすると頭が足りない、というよりかは大胆な手段を取っている派手なものが好きな奴らがいるとしたら、どうかな?当たらずとも遠からずだと思うんだけど…」
「……」
「まおーさま?」
「…そうだね、恐らくゴスペルの件での最後の情報の整理と行こうか仮説も大体の答えが見えてくるはずだ」
次回2月22日月曜日予定




