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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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坑道の中の出来事

 ギリアとリネア、ルーツを残して、暗い行動を壁につるしてあるランタンに火を灯しながら、進む。


 「うぅ、少し寒いな、整備されていないから、そのままランタンで温度調節されていたんだろうけど、手がかじかんで来たよ」


 「ケイ、大丈夫か?手温めようか?」


 「大丈夫、ありがとうお兄ちゃん」


 「あの子たちを見ていると昔を思い出さない?ロザリー」


 「うん、懐かしいなぁ、昔熱いお茶が飲めなかった時にお姉ちゃんがフーフーしてくれたんだよね」


 「フフッいつか、またしてあげようか?」


 「もう大丈夫、猫舌じゃなくなったし、それに…もう、少し恥ずかしいよ」


 「しっかしどれくらい続くんだ?線路沿いに進んでいるけど、もうどれくらい歩いたか分からねぇぞ」


 光が手元のものだけでは体感時間が狂う、もう三十分たったと思う人もいれば一時間はたったと思う人もいる。しかし、時計を見てみるとまだ十五分しか経っていなかった。


 「洞窟にも見取り図があればよかったんだけどそこまで用意周到じゃないか」


 「そうですね。ギリアは恐らくそこ含めてこの坑道を近未来化すると思いますよ。あいつは古めかしいものをみると、嫌悪感を抱き、これを芸術、つまり新しいものにしたがるんですよ。メカニックに精通していると言えば聞こえはいいのですが、伝統とか古めかしいのを考えなしに作り変えてしまうので、古いからこそ、味が出るという人からは少し…いや、かなり嫌われやすいんですよね」


 まぁ、考えなしに行動する人は大体失敗するか、嫌われやすいというか誤解を生みやすい。軽はずみな行動や思慮に欠ける行動は慎むように呼び掛けたことはあるが、それが、癖となると治すのは難しい。


 人はすぐには変われないものだ。時間をかけてゆっくりと変わっていく事に期待しているが、言って逆にやる気を無くす人もいるため、そのあたりの判断が難しいものなのだ。


 まぁ、だからって、無理強いしてやるようなものではないかもしれないが。


 「ところで、魔王様」


 「ん、どうかしたの?」


 「なんで、王妃様の姿のままなんですか?もう街は過ぎたんですし、その姿である必要はないでしょう」


 「あぁ、これ?またロランドにつく前にいちいちかけなくて済むでしょ?それに、この姿のままなら、歩幅とかも普段より大きいから無駄に体力を使わなくて済むんだよね」


 まぁ、何より、前世と目線がほぼ同じだから、子供の姿よりしっくりくるんだよね。まぁ、ロランドで用を済ませたら、戻るけど、元の姿で今の目線になるのは何年、いや何千年かかるんだろう…リネアがこれより10㎝くらい小さかったからそれから数百年?気が遠くなりそう…


 「おや、これは…」


 マーリンがピタリと足を止める。


 そこには、二本の分かれ道がある。分かれ道の間に立てかけてあるボロボロの木で出来た看板は右イスタ森 左ロランド予定地 と書かれている。


 「ロランドはもう出来ているはず、という事はこの坑道が作られたのは、まだ集落がロランドという町を作る前に掘られたという事、しかし、随分と、頑丈ですね。普段なら、いつ崩壊して生き埋めになってもおかしくないくらいの年月なんですが」


 「ヒッ!こ、怖い事言わないでよーマーリン様ぁ…」


 「大丈夫よロザリー、多分ギリア兄が新しくしてくれるから」


 「そういえば、ルーツは大丈夫なのかな、一応大事を取って戦闘には出さないけど古傷とかが開いたり…」


 「船の上で大分回復したと言ってましたよ。魔人として長寿であるがゆえに回復も早かったので大丈夫だと思います…けど、本人が実際に武器を振るってみないと分からない、とは言ってましたから、まだ、自分自身でも自信が持てないのでしょう」


 「ほほう?自分自身のじしんと自信のじしんを掛け合わせたのかな中々上手いこというねぇ」


 「いやいや、これ偶然そういう風になっただけですからマジで」


 「なーんだ、ざーんねん」


 「おーい、魔王様、マーリン様、速く行きますよこっちこっち」


 「っと、話し合いにかけ合っている場合じゃなかったね行こう」


 「そうですね」


 小走りで他の人達に続き再び、坑道の道を歩く、どこまで続くような暗闇の中を小さなともしびをつけながらひたすらに歩く。


 「まだ、続くんだね」


 ぼそりと呟くと、たまにチラチラと地図を見返す。


 「流石に坑道というだけあって地下に作られたようですから地上の出口がどこにあるのか地図でも書いてませんね」


 「あっちではネットやら中継局で地下でも電波が届いていたのに、ここでは、電波どころか中継局もないなんて何なの?怠慢じゃないの?ケイもそう思わないか?」


 「ネットも中継局も魔神軍が作ったものだからね。大陸間での交流でそう言うの作ってくれないかな…」


 「できるとしても、それは当分先になるだろうね」


 今ではこの端末はお飾りになっちゃっているからな、分かるのは時間だけ、もうこれ、腕時計でいいじゃないかって思う。


 それからも体感時間を狂いながら、坑道の中を硬い乾いた地面を歩きながら、いつか、抜けられることを期待して歩き続ける。


次回1月18日月曜日予定

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