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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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過去の栄光形にて

 あの島から離れてから既に三日が過ぎた。大幅に回り道をすることになってしまったが、ようやく、目的の大陸が見えてきた。


 自分の部屋からでもその大陸を見た時に感じた安心感は心を癒した。

 しかしその後大きな爆発音が聞こえた。


 「ワアアーッ!?」


 次いで発される轟音。


 「ワアアーッ!?」


 轟音にたたき起こされたように甲板に出る。


 そこには、鉄柱のような5メートル×5メートルのどこかいびつな形のポールのようなものがあった。そこには、若干の人だかりが出来ている。


 人ごみをかき分けながら、前に進むと、ギリアとホビルが、話し合いながら、それをまじまじと見ている。


 「何があったの?」


 「おや、魔王様、先程大きなアメンボが船を襲いまして、これはその足です。あっ、もうアメンボは燃やしたので、大丈夫ですよ」


 アメンボが襲ったというのは未だに理解できないが、その足が約五メートルもあるというのは流石に驚きを隠せない。実際にそのアメンボを見たことはないが、まるで、自分が小人になったような錯覚さえ感じる。


 「あっ、いたいた、おーい、レン魔王様、マーリンが呼んでいましたよ。あっ、ギリアとホビルもーっ、なんか九柱全員集合だって」


 「あー、すまねぇ、ちょっとこいつの解析が終わるまで待ってくれねぇか?」


 「いえ、うちの解析班の何人かをこっちに回しましょう、おい、そこの君、確か、サンデッキにうちの解析班が見張っているはずだ。そのうちの一人と見張りを交代して、私が呼んでいたと伝えてくれ」


 船内7デッキ談話室


 「全員集まりましたね」


 マーリンが人数を確認して話し始める。


 「今回の本題に入る事で色々とやらなければならない事があります。まずはそれぞれの身分、姿、あとできれば証明できるもの、この三点です」


 「前にヴォルヘンに侵入したときのような、物じゃダメなの?」


 「サディーは交易都市ですからね。前のように何処かのご令嬢が立ち入るというには不自然な場所です。環境に適応した身分じゃないと目立ちすぎる」


 「適応している姿…商人や、輸入売買の人?でもそれじゃあ、証明できるものが…」


 「そこで、こういうものを用意しました」


 マーリンが取り出したものは小さな手のひらサイズのカードのようなものだった。


 「これは?」


 「実際に存在する会社の名刺です。まぁ、ただの張りぼてのようなものですが、その場しのぎなら何とかなるでしょう。でも、機械とかで調べられたら、偽物だってバレるので取調べされないのが一番ですが」


 「でも、全員が行くわけにもいかないでしょう?別大陸の規模も相手の勢力も影響を及ぼす可能性もあると、大まかな分担でも4つ、いや、5つは役割分担をしないと」


 「それについては、一般の観光客、冒険家で問題ないでしょう。教会などで手続きさえすれば、仮免許みたいなものも発行できるので、あとは定期更新で事足ります」


 地図を示しながら説明をしているが全員それ以外の場所、恐らく集落や小さな村をチラチラ見ている。既に奴らの隠れ家や住処に目星をつけているのだろう。


 「とにかく、情報を共有する点においては、伝達要因が必要不可欠でしょう。交代制、或いは、いえ、これはハードスケジュールになるので止めておきましょう」


 「それで、今回はどのような姿にするの?」


 「ええ、シェイプトランスを皆にかけるのですが、少し、魔王様には特別…というか、少々特殊な変装をしてもらいます。とりあえずは、他の人、あっ、でも、使えない人はモニカとダイン以外に使えない人いませんね…まずはお二人とも来て下さい。後は、各々やっておいてください」


 それからしばらくして、自分以外の変装魔法が終わり、自分の番が来た。


 「お待たせしました。では、始めますね、その前に魔王様以外の人は一先ず、外に出てください」


 手で追い払うように、シッシッとジェスチャーをする。


 全員が部屋から出ると前と同じように、手を頭に乗せる。


 前のような締め付けられるような感覚と同時に前には感じなかった少し、引っ張られるような、服を何重にか着せられているような感覚がする。


 「ふぅ…はぁ、はぁ、で、出来ました…」


 「ん、もう出来たの?流石、手際がいい…な?」


 そこで、違和感に気付く、声がおかしい、今までは少し幼さが残るような声だったが、今はそれが、完全に抑えられて、どことなく色っぽさと透き通るような声になっている。


 目を開けて身体を動かしてみる。スラっと伸びた手足、手入れされたような爪、静かに流れる滝のような髪の毛、鏡に自分の姿を映してみると、雪のような肌を持った、白銀の髪をなびかせる大人の女性だった。


 「……っ」


 「その姿は、魔王様のおばあ様、つまり祖母のお姿です。故人の姿をするのは死を冒涜してしまうようで気は乗りませんが、適当にそこらの人になって騒ぎになるよりかは幾分かマシでしょう。さぁ、初代王妃様の服も持ってきております。今の姿なら問題なく着れるでしょう。では、私は外で待っていますので」

次回11月23日月曜日予定

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