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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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魔女の試練


 あの後、教えてもらった屋敷へ続く道に行くと既にカイとケイがその場で待っていた。


 「ごめん、待たせちゃった?」


 「ううん、お姉様が来るなら待つだけなんて苦でも何でもないよ」


 「うん、お姉ちゃんが来るなら」


 相変わらずうれしいことを言ってくれるなこの子達は、さて、この道を進んでいれば屋敷に着くらしいのだが、村人…あの子供たちが言っていたとしたら、本当かどうか本当に分からない。マーリンが話を聞いた村長でさえも10歳もいかないくらいの少女だったという事だったが…


 「それにしても、こんな島に住んでいる魔女っていうのはどんな人なのかな?」


 カイがそういうとうんうんとケイが頷く。


 「少人数で大人がいなくて、可愛い子がいれば会いやすいっていう情報だけだと、ただ人見知りで大人嫌いで可愛いのが大好きな少女…かな?」


 村人が少年少女の村だったことを考えるに成長が同じ様な歳でストップしてしまったと考えるのが普通だろう。だから、大人と話すのが、苦手だと言っても無理はないし、人見知りじゃなかったら森の奥の屋敷に住まないだろう。


 可愛いのが好き、というのが少し分からないが、友達が欲しいとかそういう寂しがりな子なのかな?


 少ない情報から想像を広げて相手がどのような人物なのか、話し合っているうちに段々と木々が太陽の光を隠し、風が木々を揺らして小さな木漏れ日を浴びせる。


 「鬱蒼としてきたな…」


 灯りがたまに見せる木漏れ日の他には一切ない森の道は自身の体感を大きく鈍らせる。既に5キロも歩いたとも思うし、まだ、一キロだとも思う。それでもまだ、自分達は疲労を感じず、歩を進ませる。


 それから、歩いていると、何かを感じた。そう思うと自分達はさっきまでこれから、自分達が通るであろう続く道が無くなり、その代わり大きな屋敷が突如としてその姿を現した。


 「この屋敷…魔法か魔術で隠されていたのか…」


 屋敷の前には鉄の門があり、触れてみるとそれが実体であることが分かった。


 「どうやら、この屋敷自体が幻覚っていう事はなさそうだ」


 「取りあえず、行ってみない事には変わりなさそうだ。ケイ、お兄ちゃんから離れるな」


 カイはケイを庇うように前に立つ。


 慎重に扉を開いて、玄関口に入ると後ろの扉は重厚な音を立てて閉まった。


 その音が止むと同時にスピーカー越しのようなノイズ音と共に人の声が聞こえた。


 『ようこそ、可愛らしいお客人、私は魔女フィリシア、この島の主をしております。あなた方の事は既に知っております。しかし、私は滅多に人の前には姿を現すことができません。

ですが、せっかく来ていただき、何もしないというのは無礼というもの、ですが、あなた方も漂流したとはいえ入島許可もなく島に入ったことは変わりありません。

 そして、その為に一つあなた方には試練を受けてもらいます。もしそれに受かることが出来たらあなた方に協力してあげましょう入島許可の事も水に流してあげましょう』


 「随分、上から目線じゃないか、魔女フィリシアとやら、この島では一番偉いらしいが、せっかく来た人に客として振舞うのは一般的なマナーというものがあるんじゃないのか?」


 「カイ、やめなさい、今、ここで重要なのは試練に受けるかどうか、ということでしょう?」


 『半分正解、半分不正解という所かしら、正直、受ける受けないと言っても強制的に受けさせるつもりだし、それに久しぶりのお客様だもの多少手荒にでもおもてなししなくちゃね。

 試練はあなたたちから見て正面の階段を上ってすぐ目の前の扉の中に入った時点で開始よ。

 では頑張りなさい』


 ブツッという電源が切れた音と同時に声は聞こえなくなった。


 「はぁ、今時、はいといいえどちらを選んでもはいの選択肢になるって流行らないと思うんだけど」


 「ともかく、受けなきゃいけないんだよね?あまりみんなを待たせちゃいけないし、行こっ?」


 「そうだね、二人共、私から離れないで」


 二人と手をつないで階段を上がっていく。


 扉に手をかけると、扉は簡単に開き、まるで、誘い込むような錯覚に陥る。


 扉をくぐると入ってきた扉が勢いよくバタンと閉じる。当たり前のように開かない。


 そしてポーンという音が鳴るとまたあの声が聞こえてきた。


 「第一の試練は魔獣の迷路でーす、この部屋には私が生み出した魔獣がたくさんいます。あなたたちにはそれを倒しつつ、次の試練に挑むためにワープの魔法陣を探してもらいます。では…あっ言い忘れるところでした。この部屋では回復の魔法を封じてありますので、なるべくダメージを受けないようにしてくださいね。では、第一の試練、スタート♪」


 なんだか、からかわれているようでムカつく。


 「あまり、迷路は得意じゃないんだよな。壁伝いにいけばいつか、着くか」


 そう言って壁に手を付けると壁から頭が三つに分かれた人形が手をかみちぎろうとサメの歯のような牙が迫ってきた。


 しかし、その人形は爆裂魔法でパァン!とはじける音を出して飛び散った。


 「まぁ、そんな迷路の必勝法はするなってことだね。次、行くか」

次回10月12日月曜日予定

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