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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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出航前の小さな音沙汰


 「………ということになって、特に問題はなかったとのことです。サディーに行くまでの航路も危険は少ないでしょう」


 サディーに行くための航路で調整をしてルートの調査資料を確認したところ、問題らしい問題なく何時でも出発できる状態になっているようだ。


 「燃料などのストックは大丈夫だったの?」


 「ええ、マーリンが何回も何十回も何百回も備蓄と共に持ち帰ってきたので、余っていたので何回でも往復できるぐらいには余裕があります」


 それなら、問題はないだろう。実際に行ってみない事にはわからないが、これ以上時間をかけることにもいかない。


 「スピードを上げよう。第一次メンバーに招集をかけて遅くても明日の明朝には出発するように伝えておいて、リネア」


 「わかりました、すぐにそのように伝えます。」


 パタパタと足音を鳴らし、駆けて行ったあと入れ違いのように、スーラが入ってくる。


 「やあ、スーラ来てくれたね」


 「いきなり、呼ばれたときはびっくりしましたよ。それに、第一次のメンバーとして選ばれるのも」


 「なに、エキドナ様のお気に入りの君なら実力的に問題ないと思っただけさ」


 「…まあ、船旅も楽しそうだし、命令でもありますから、断ることもしませんよ、読書も周りの雰囲気で、見かたも変わりますから、新しい世界も垣間見れると感じたら、こういう任務も悪くはないかなって…」


 割とポジティブな考え方だな、まぁ、そういう考えをした方が、肩の力も抜けるし、気が楽になる自己暗示心のクスリにもなるのだろう。


 「それで、何か欲しいものがあるなら、できる範囲で上げようと思うんだけど、なにかあるかい?君は優秀だから、サービスだ」


 「うーん、いや、特にありません。準備も済ませてありますし、蛇のお世話のスケジュール調整も終わってるので、手伝ってもらうことも、何か欲しいものも、特には」


 「そう、じゃあ、今回はそういう事にしよう、さぁ、出発のためにそろそろ、港に行くことにするから、君たちも遅れないように」


 「あれ?出発は明日の明朝じゃ…」


 「あれは、遅くても、と言ったの、当然リネアは裏を読んで早ければ早いほどいいってみんなには予定時刻より早くの時間に来るように言ってくれるでしょう」


 スーラは苦笑いを浮かべながら、みんなの事をよく理解していますね、というと、影に沈み、部屋を出ていく。


 「…さて、戸締りも済ませて、俺たちも行こうか、『私』」


 【久しぶりに話してくれたと思ったら、そんな他愛もない事にいうの?今まで何も喋ってくれないから、忘れられているのかと思っていた】


 「そんなことないよ、いつかは混ざり合って話せなくなるって思ったら、少し、寂しくてね」


 【そう…ありがと】


 その後小さく、嘘つき、と言った。


 (…フッ、どうやら鈍感系な主人公にはなれないな、俺は)


 何もかも腹を割って話せる人が欲しかったんだ、それをなくすのが怖いんだよ、前世でそれを失った事を繰り返すって思うと、手が震えて、もし、平凡な日々で幸福に生きられたら、愛される気がしたけれど、前世ではまるで、恵まれなかった、愛は、期待に変わり心を押しつぶした。


 長い時は、愛を感情を変えていって、それに気づかずに踊らされる、それを指摘しても、それに気づかず、妄言だと決めつけられる。


 それに比べて今は幸せだ、今、俺についてきている人たちはあの時よりも、ずっと多くの感情を見せてくれた。俺を一人の、者としてみてくれたんだ。


 でも、俺がここで、今一番信頼しているのは、君なんだよ。


 と、しんみりした心は港について一瞬でひび割れて崩れ去った。


 目の前にある船は250mは超えてあるだろう第二次世界大戦の戦艦クラスの大きさの船だった。今も車や食料、衣食住に必要な物を運んでいる最中の様で、少しだが、手伝った。


 それが終わるころには、港には船に乗り込む人もちらほら見えた。それぞれ船に乗る際、ギリアが名簿をもって、チェックマークを付けているようだ。


 しかし、そんなことに興味を向くことなく、自分含め大体の人が船を見上げて口を開けていた。


 こことなしか、魂が出ているように見える。


 これがそのまんまの意味で、開いた口が閉じないというやつだろう。


 (一体、全長はいくつあるんだろう。馬力は何百万?排水量も何千t…いや万も超えるか?確か、何回か往復しても余裕あるってなんでそんなに燃料があるんだ?そもそも、何処に保管してあったんだろう)


 そんなことを考えながら、コスモを見ながら、その場で硬直している人に混じって、我に返るのに時間が結構かかった。


 「…様…お…様…魔王様!!」


 「ハッ!」


 目を開けると既に夜も更け、ギリアが肩をゆすっていた。


 「もう、深夜零時を過ぎました。少々、時間は早いですが、全員乗船が完了したので後は俺と魔王様だけです」


 「あ、あぁ、ありがとう」


 「さぁ、行きましょう、乗船の際、小さな段差にご注意ください、何人か躓いていたので、魔王様の肌に傷がつくなんて耐えられませんから、もし躓いたらその段差をこの世から消すのでご安心ください」


 言い方に安心を一切感じない。

次回8月31日月曜日予定

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