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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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高コストの有効性

 「…ふぅ」


 特に意識していないのにため息が出てしまう。


 大陸を渡る移動手段も身支度も万全を期して後は出発するだけ、だったのだが、その一つの準備に酷く時間がかかっている。


 「で、以下のリストが同行に立候補しています。」


 リネアが、同行者、つまり東の大陸に行く魔人と人間のリストを机に上に山盛りに置いてくる。


 即戦力としては申し分ないのだが、当たり前のように多すぎる、少なくてもおじいちゃんからもらったドでかい船を5往復くらいはしないと終わらないだろう。


 しかも、それ以前の問題として、留守にしている間の防御が薄すぎる。最低限の勢力は残して魔王城やヴォルヘンの守衛を残しておきたいのだが、立候補のほぼ全員が戦闘要員としてトップクラス、そのバランスがうまく取れない。


 かれこれ、時間をかけて、何とかさばいているが、次から次へと立候補者が増えていき、追加しては外し、追加しては外しの繰り返しで発狂しそうな頭を氷枕で冷やしながら、何とかリストアップは完了した。


 デスクワークで凝った肩をリネアに揉んでいると、ドアをコンコンとノックをされて、返事をする前に扉は開く。


 「魔王様、この度は大変ご心配をおかけしました」


 扉の先にはルーツが立っていた。


 「ルーツ、怪我は大丈夫なの?」


 「ええ、もう包帯は必要無くなりミイラ男にはもうしなくて済みそうです」


 ルーツの怪我は深く、一時は大陸を渡るのを断念しようとしたが本人が頑なにそれを拒否した。理由こそ、生まれが東の大陸だったらしく放浪者として、すべてとはいかずも多くの大陸を渡ったといわれていたらしい。


 放浪者と言っても元傭兵、護衛のついでに街を渡り、また、雇われ街を渡る常に特定の雇い主を持たずに街と護衛を繰り返していたらしい。


 「とはいえ、結構年代は変わっているから役に立つのは大まかな地形の把握くらいでしょう」


 辛辣なことをいうリネアに少し申し訳なさそうな顔を浮かべる。


 「だけど、完全に傷が癒えたわけでもないでしょう、それまでは船の医療室で大人しくしたほうがいいんじゃない?おじいちゃんに聞いたんだけど、大方自動操縦出来るって言っていたし」


 「船ではそうさせていただきます。しかし我以外に東の大陸に渡った人物がいないのも事実、案内役として我が適任かと」


 まぁ、確かに、一回でも行ったことのある人がいた方が適切か、今から向かう大陸には大きな港街、正式名称 交易都市サディー 新しく出来たというには発展が早くたった一週間で多くの商人や住人、教会関係者などが移り住んで、総人数が30万を超えて今も増え続けているらしい。


 「そして、今はどの海路を経由して向かうか検討しているのだが、これが問題だ」


 広げたのは船の出港時刻、この大陸でも多くの船がサディーに輸入品などの品を届けることがある。しかし、それ以外の大陸も同じ海路を通るため衝突事故が起こるのも多いというわけだ。


 それを防止する為に幾つか海路を分けてあるが、それでもまだ足りない、事態は一刻を争うので一日でも早く出発したいのだが、その目処が立たないのだ。


 「ふむ…なるほど」


 ルーツは海路を眺め何かを眺めている。


 「では、敢えて遠回りの海路を検討してみては?」


 「どういうこと?」


 ルーツが提案したのはこの近くの港から船を出すのではなく比較的船の出港頻度が少なく、おじいちゃんがくれた船が泊まれる港から今までの海路を使わず自らの手で海路を開拓するというものだった。


 「確かに、そうすれば衝突を起こさないし、心配なく港に着くかもしれないけれど、不確定要素もそれなりにある、ハイリスクハイリターンだ」


 海といえど危険はある。この世界はファンタジーのようなものだ巨大クラーケンもいれば空を飛ぶサメもいる。まぁ、メンツを見るに逆に瞬殺しそうだから、そのあたりは問題ないのだろうが、他のリスクもある。


 今まで使ったことのない海路というのはそこに何があるのかわからないということだ、最悪尖った岩に激突して沈没事故なんて笑えたものじゃない。


 それ以外にもサンゴ礁や、海藻がスクリューにまきつく可能性も高い。


 「しかし、今の状況、のんびり待つ事のリスクを考えると、低コストよりも高コストの方が最善かと思います。ソナーなどがついている船を随伴艦として同行すれば、往復回数も短縮できるのでは」


 「確かに、一理ある、燃料には魔王城に多くあるし、交易都市にも、多く船の出入りがあるとするなら備蓄や輸入品の料金などで商売上手なら、格安で向こうで燃料も補給できるだろうし、そっちの方があっているかも」


 次は海路の指定だが、ここは、下調べが重要だろう、流石にぶっつけ本番は出来ないので、安全の確保のため潜水艦を先行させ障害物の確認、海路の安全性の要点後はどれくらいの期間で向こうに着けるかの把握、船の速力にもよるけれど、それなりのでかさを考えると22.5ノットつまり、約42㎞が限界速度かな。


 「いい案だとは思うけれど、それでも、時間はかかるね。とりあえず、クリスタルで即効で手配しよう」


 その後、この件にかかわった人材は展開がどったんばったん大騒ぎして疲労困憊したのは言うまでもない。

次回8月24日月曜日予定

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