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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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預言者の行方

 「…以上が英雄の武器に関する話です」


 ラファエルとゼダキエル一呼吸おいて、話し終えたのち近くの椅子に腰を掛ける。


 「年代的には誰も知らないのは無理はない…が、初代の魔王様はそんなこと知らないはずはない、ましてや、そんな大災害が起きたのならば、歴史の文献に残っていないなんということ有り得ない。

 お前ら、まさかホラ吹いているんじゃないだろうな」


 マーリンが珍しく真剣な顔をして睨んでいる。


 「この話は教皇様から大司教のみに教えられる話です。教皇様は協会の中のトップ、国王陛下でさえも、簡単に出会えるものでもないし、私たちだってあったのは大司教になった時以来一回もあっていないのです」


 「その教皇が嘘やホラ話をしているって可能性は」


 「「それはありえません!!」」


 「マーリン、流石に疑い過ぎだよ、そもそも、この話、本当のことかもしれないよ。

 幾つか理由を上げるけどまず一つ目大司教のみでしか知らない事、この時点でこの話は限られた人間しか知らないって事、もしこれが子供向けの英雄に憧れる本だったら、英雄の正体は仙人だった、なんて話地味でしょう?

 二つ目ここで嘘を言うメリットが見当たらない。マーリンが言うように嘘やホラ話で結論付けるのは簡単だけどここで、嘘を言う事に意味があると思う?仮にこれが嘘だったりしたら、次に現れたもう一つの英雄の武器の話が本当のものだよって言われたら、それを信じられる?」


 「ぬ、うぅぅ…」


 「それと、最後の理由だけど、多分おじいちゃんその話知っているよ、多分聞かれないから答えないんだろうけど、聞かれたら答えるよ、おじいちゃんは、普段は聞かれないと答えないからね。

 おじいちゃんは聞かれないかとは聞きたくない話だと思う事が大半だからね」


 一応、他の理由もあるんだが、これはこの世界では理解されない事だ。


 帚木伝説、話に出てきた遠くでは見えるのに近くでは見えなくなる、いわゆるオカルトだ。実際にあったものらしいが、濃霧がなんやらだったようなおぼろげな記憶がある。


 「まぁ、その話が本当だとしよう。マーリンはその英雄の武器で、何をするつもりだ?こんな事誰にも話していないし、私がここで聞いてしまってもよかったものだったの?」


 「…いづれにしても話す時が来ます…しかし、今は言えません、その時が来たら、こちらからはなします…なので、待っていただけないでしょうか」


 正直、ちょっと…いや、かなり気になるが、話したくない相手に無理矢理聞き出していい物か、そうしたら傷口に塩を塗ることになりそうだし、話したくない事を聞くっていうのもしたくないな。


 「…分かった」


 その、答えを言った直後扉が勢いよく、開けられた。


 「ラファエル様!!預言者の行き先の目星が付きました!!」


 扉の寿命を削った兵士は息を切らしながら、場所の説明をする。そこはヴォルヘンからさほど離れていない港町だった。


 「たしか、ここは国の領地だったはず、よね」


 「はい、半年前預言者らしきものが港町で約三か月この港町に滞在していたという情報を確認しました。目撃者が言うにはよく港の倉庫に近くにうろついたりしていたと」


 「うろついていた?その理由とか知っていないの?そんな不審な行動をしていたら警備の人や、漁船の人たちが接触しそうなものだけど」


 「それが、目撃者はいても、警備員や、その地域の自警団が行くとすでにいなかったようで」


 「ずっと張り込みをするっていう事も出来たんじゃないの」


 「既に行いました、しかし、すると別の場所で目撃したと」


 「…おかしいですわね」


 少しだけ、仮説が生まれた。二人の会話に割って入るのは少し烏滸がましいが、意見を述べよう。


 「預言者、と自称するだけあって未来を見れるのか、警備兵とグルなのか、もしくは、誰かと一緒で役割を決めているのか…じゃない?」


 「魔王様…」


 「会話に入って悪いとは思うけど考え方によってはそれが的中することあるから、二人で考えるより三人で話した方がいいよ、三人集まれば文殊の知恵と言うし」


 「あの、魔王様、私もいるのですが…」


 「気持ちの整理も必要だし、マーリンは魔王城か城の客間で休んだらどうなの?ゼダキエルさんも違う客間か良かったら、協会とかご覧ください」


 「……はい」


 話に入りたかったのか、足取りがここに来た時より、重い足取りで部屋を出ていく。


 「で、話に戻ってもいいかな、預言者の場所とかはその港らへんで何をしていたのかは分からないの?」


 「実は、預言者はもう、その港にはいないと」


 「ちょっと、もういないのならなんで目星付いたなんていったの?」


 「まぁまぁ、ラファエル最後まで話しを聞こうよ」


 「ありがとうございます。調べによりますと預言者を見ないようになった時が、この国の救済日つまり、魔神軍が我らをお救いになった日の事を指します。その翌日からぱったりと目撃情報が無くなりまして」


 「その怪しい、預言者らしきものがこの国を引っ掻き回したものとして間違いないと」


 「はい、そこで、先ほどの話です、なぜ、預言者は港でしばらく滞在していたのか、何か手掛かりはないかと、そこの水夫や、航海士などから、情報を集めたので、そのご報告をと」


 「十分な情報を整理もせず、報告だけでもと、そのバラッバラな紙束を持ってきたと…へぇ…そう…」


 「うっ…」


 「ラファエル、どうどう、それを整理するのも俺たちの役目だ。優先するべきはこの国のような被害を一刻も食い止めることだろう。情報を持ってきただけでも、大した実績といってもいいんじゃないか」


 「むむぅ…」


 父親を亡くしたラファエルからしたらこの言葉は少し痛いくらいには刺さるだろう。

次回6月8日月曜日予定

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