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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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英雄の生き様

 今から百万年以上前、この世界全てを異常ともいえる嵐が襲った。台風と思ったが、明らかに長期間に続く事から、これはただの自然現象ではない事が分かった。


 気象に対して詳しい人物や学者、教授などの集まりによって、あらゆる人材を大嵐の中、原因の捜索が行われた末、ある地域だけ嵐が起きていない事が分かった。


 その地域の空を見た人たちは自らの目を疑った。そこにあったのは球体のドでかい瞳が自分たちを見下ろしている。その正体を調べようとさらに近づくと精神を蝕まれている感覚に陥る。


 明らかにあれは我々が知る生物ではない事、巨大な悪意がそのまま具現化したようなおぞましい意志を持った生物であることにその異変解決班は頭を抱えた。


 誰もが成す術なく頭を抱えていた時、一人の人物が部屋の中に入ってきた。その人物は嵐の中に歩いていたであろうにその服は全く濡れていない。まるで、瞬間移動してきたようだ。


 「君たち、随分と頭を悩ませているようだね、手助けをしてあげようか、我々としても、あれを相手にするのは面倒でね、だが、君たちが協力してくれるというならば、差ほどの脅威ではないだろう。」


 人物はあの空に浮かんでいる生物の正体を知っているように話す。


 「あれは、神の代行者、実際は神ではないが我々のようなちっぽけな存在を掃除するように生きとし生けるものを無くすことを生きがいとしたイカれた奴だ。あいつを倒すには勇者…いや、英雄の力が無いといけないだろう。

 しかし、英雄の力なんて持っている人間などポンポン生まれるはずもない、だが、英雄の素質をもつ人に心当たりがある。ただ、そいつには、まだ不足しているものがある。だが、それを教えてしまってはつまらない。

 そこで、君たちにはとっておきの情報を教えよう。彼はここから南西の崖山の麓をくまなく探してみるといいだろう。明らかにおかしいとおもう場所がある。

彼が今いるとしたらそこしかないだろう」


 謎の人物はそれだけいうと、部屋を出ていった。急いで後を追うがその人物はすでに嵐の中に消えていった。


 嵐はただ強さを増していくばかり、死者も増えていく。藁にも縋る状況、真偽を考える暇もなくその人物を探した。


 三日三晩、不眠不休で崖山の麓を探すと、謎の人物が言った通りおかしな所があった。遠くから見ると見えるのに近づくと見えなくなる大きな大木があったという。その大木があろう場所をくまなく探すと、鍾乳洞の入り口があったさらに驚くことに、入り口には透明な膜でもあるかのように嵐の水が入り込まずその膜を滴り落ちるだけだった。


 鍾乳洞の中を探索すると奥に進むにつれ、人工物がちらほらと見えるようになった。嵐のせいで外に出られない蝙蝠も鍾乳洞の中で眠っている。


 その最奥には、芸術的な湖が広がっていた。その湖は宝石のような彩りであり、その水の発生源は、奥に滝が流れていた。


 その滝をよく見ると薄っすらと人影が見える。両手を合わせて、精神を鍛えているように見える。


 その人物に声をかけると、その人物が気づくと同時に滝がピタリと止む。その事に呆然としているとその人物は一足飛びに捜索班たちの前に降り立つ。


 「ここに人が来るとは珍しい。我に用かもしくは、迷ったか、前者なら手早く要件を述べよ、後者ならば地図をくれてやる、返す必要もあるまい」


 捜索班はここに英雄の素質をもった人物がいると教えてもらったこと、このままだと、嵐で人類が滅んでしまう事を具体的に述べた。


 「我に英雄のまねごとをしろと言うのか、我は貴様らに手を貸す道理も有益もない。それでも、我に助けをこうか、しかし、ここに我がいる事を知る人物がいた、というのは少し興味深い。

 最後にここに人間が来たのは何時ぶりだろうか、何年何十年、何百年も生きていると時の流れさえ些細なものと思えてしまう、仙人である我には世界が滅ぼうと、些細なものだ」


 「どうか、我々を、世界をお救いください!!このままでは、全人類、いえ、この世から生物が息絶えてしまいます!!生まれたばかりの赤子もすぐに息絶え、十分な食事もとれず、一刻の猶予もないのです!!

 あの、どなたかも分からない人が言った通り貴方様がここにいらっしゃったことで、我々の心に一筋の光が見えたのです。

 どうか、どうか、お助け下さい!!私たちは、絶対に生き延びなければいけないのです!!私にも守るべき家族がいるのです。どうか…どうか…」


 仙人はしばらくの間、頭を下げ続ける人間達を見て、ふぅ…と息を吐く。


 「ここまで、頭を下げるとは、易々とできるわけではない…頭を上げよ…気乗りはしないが、いいだろう条件はあるが、手を貸してやる」


 仙人は人々の頼みを聞き入れ瞳のついた月と対峙した。


 戦いは長く続いた、抵抗も凄まじく、月は熱線を撃ち大暴れする。戦いは長きにわたり、相打ちという形で仙人は月を滅ぼした。


 仙人はそのまま地上に墜落していく。人々が仙人の元にたどり着くとそこに、仙人の姿はなく、その代わりに仙人が使った数個の武器のみだった。


 人々は仙人を英雄と称え、武器を英雄が住んでいた鍾乳洞の湖に沈めたという。

次回6月1日月曜日予定

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