地下闘技場GP予選 下
人間側の優勝候補でエリアルは確定だろうが、それだけでは面白みがないな、他になにか特徴的な戦いをしている者はいないのかと違う戦いに目を向けると不審な姿の出場者が目に留まった。
「あれはなんだろう?黒ずくめのマントにフード?いや、あれは…」
言葉を続けようとしたら相手の頭上に魔法陣がいくつも浮かび上がり魔弾が降り注ぐ。
いきなりの事で反応が遅れたのだろう防御態勢に入ったが遅く、魔弾を受けた相手はリタイアした。
「うおお…何やらトリッキーな動きするねあの黒フード」
「空中に魔法陣?普段は壁やら地面に書いて浮かび上がらせるものだけど何故それを即時展開出来たんだ?」
「その秘密はあの手に持った糸でしょう」
リリッサが指をさしたのは持っている銅の球体だ。
「あれは普段補強工事などで使われる丈夫な糸なのですがこのような戦いだといろんな所に極細の糸を張り触れると動きを制限するなどという使い方も出来るのですがあの人は張った後に魔法陣の形のなるように計算して糸を張っているのでしょうその為即時展開が可能なのでしょう」
さっきから思ってたんだがリリッサは解説役だな実況役はマーリンで確定だが。
「ケントというらしいですよあの黒フード野郎」
「ギリア、野郎って…いつもの口調じゃ考えられない言葉遣いね」
「すいません、このようなものだと興奮してしまうので、つい」
ホビル相手だと怒鳴ったりするが表情ではいつものギリアだ。意外と喜怒哀楽を表面に出しずらい奴なのかもしれない。
「っと残りが規定数になりましたね、そこまで!人間側の出場者の皆さんお疲れさまでした。予選はこれにて終了とさせて頂きます。続きましては魔人側の予選に移りたいと思います。怪我した出場者の回収をお願いします。」
ブザーが鳴り響き負傷した人の治療班などが担架などを持ち予選勝者の人たちも待合室へ戻っていく。
「そう言えば、魔人では誰が出場するの?」
「珍しく、スーラが出ていますね、我々のような将軍格は出場出来ませんし、ですが…面白い戦いになりそうですね先生ですら一目置くような潜在能力の持ち主ですからね」
「…図書館に引きこもっている印象が強いからあまりパッとしないけど、お手並み、いや、力量拝見とさせてもらおうかな」
魔人の出場者が対戦位置につく。
「さて、全体に防護魔法をかけてっと」
マーリンが高位の防護魔法を観客席や実況席にかけて、試合開始の合図をする。
試合が始まった直後、凄まじい光景が広がった。ある者は肉眼で捉えられないほどのスピードで相手を翻弄したり負けじと地面をたたき割り岩を生やしたりと明らかに見劣りする戦いが見た。
「さてと、スーラは…あれ?」
スーラの姿を探したらスーラは目を閉じ、微動だにしない。
「あれが、スーラの戦闘スタイルなんですよ」
ギリアが悪だくみしていそうな目でスーラを見つめている。
「体力が続くわけでもないのでちょこまか動けるわけでもない。魔力が高くもないから撃ちあうわけでもないそれなら彼が最も得意とする戦法は…」
スーラの姿がシュルンと溶けた様に消える。直後、地面から黒い影が伸び相手の動きを封じ大きな影がブクブクと内側から巨大化したように大型のハンマーの形となり、相手を叩く。
「あれは、先生から教わった影の神域と言って魔力や魔術ではなく、術者の知識量などによって複雑な形を再現することも可能なんですよ。それなりに習得も難しいらしいのですが、魔神軍で使えるのは彼以外いないんですよね」
スーラの周りを漂う影相手の行動を封じる影、多くの役割を持っているのかスーラの戦いは見てて迫力ある戦い方だった。観客も盛り上がり、たのしめるパフォーマンスだ。
「そこまでっ!」
魔人達の戦いは人間側のよりすぐに終わった。
「予定より早めに終わってしまったため予定を前倒しにしていこうと思います出場者の治療などが終わり次第トーナメント戦に移ろうと思います。それぞれ、番号がランダムに振り分けられますので出場者の皆様はご自分の番号を思えておいてくださいね」
「本当に早めに終わったね」
「ええ、全く私もここまでとは思いませんでしたよ」
次回5月4日月曜日予定




