地下闘技場GP予選 上
「みなさま、大変長らくお待たせいたしました。これより、地下闘技場グランプリを開催させていただきます!!」
闘技場に響き渡ったマーリンの声に歓声が沸きあがる。
「司会及び実況役は魔王軍将軍が一人魔鏡のマーリンと」
「わたし、聖騎士長のリリッサがお送り致します」
「では、改めて今回の対戦条件についての解説します。まずは魔人、人間同士の対戦とさせて頂きます。今日は予選のみですが、祭りは三日間行われるとの事なので今日は午前試合の予選、午後はトーナメントでセミファイナルまで、行おうと思います。決勝は明日、祭り二日目にさせていただきます。二日目の決勝戦で決められるチャンピオンには豪華賞品が贈られますので皆さんご健闘くださいね」
「いやぁ、一体どんな商品なんでしょうね~」
わざとらしく言うリリッサに苦笑いを浮かべながらマーリンが説明を続ける。
「え、ええと、それとこの闘技場の説明をさせていただきます。予選の対戦ではこの闘技場を4等分させて頂きその中で行います。降参や棄権など受け付けるので体調が悪くなったら何時でも言ってくださいね。更に二日目の午後からは面白いのが見れますよ、どうか二日目の決勝戦の後もお楽しみくださいね」
「では出場者の皆様は事前に引いてもらいました番号同士の対戦相手とリングにどうぞ」
実況者席の奥の席に腰を落として観戦する。
「ほう、人間と魔人を分けるのですね。バランスはとれていますね」
ギリアが隣でルールの解析をしている。
「まぁ、種族的に魔人の方が強いからね」
それに、先に魔人たちが闘うと他の試合が見劣りしてしまうという理由で先に人間側の予選が行われるようにしている。
「それぞれ、上位入賞者の中で新たに我が軍の新戦力としてスカウトするとか言ってたんですけどそれ本気ですか?」
「それ聞いたのほんの10分前だったから私自身もびっくりしたよ。発案者はラファエルらしいんだけど、なにか意味があるんじゃない?承認するか否かは検討はするけど、それもこの試合の結果しだいかな」
「…なるほど、今まで魔族と人間族は相対する存在とされてきましたから、なんというか奇妙な感じですね」
その時にこちらの席に闘技場の一角から強い突風が吹いた。
「おっとぉ!!この突風はなんでしょう!?」
「この魔力の質は…エリアルの魔法ね」
「エリアル…とは誰の事ですか?リリッサさん」
「エリアル・シュヴァルツまたの名をKiller S、その名の通り魔法で曲線でSの文字で相手を切り刻む剣に纏わせたSの風の刃は一回の攻撃に3回以上の斬撃を与えるのがあの子の特技ちなみに聖騎士一の問題児として有名なんですよね」
そういったリリッサの頬にツゥと切り傷が出来た。それを見たマーリンは静かに回復魔法をかけた。
「超イテェ…」
「エリアルさんですか、綺麗な方ですねそれにあの剣筋…優勝候補としての一人というところでしょうか」
「そうね…ちょっとアクリル板用意してもらえますでしょうか、軽く命の危機を感じそうなので」
それは口を滑らしたあんたの責任ではないか?という視線を全員に浴びながら瞳に涙を浮かべる。
「聖騎士ですか…」
「どうしたの?ギリア、聖騎士になにか思い入れでも?」
ギリアは聖騎士は魔族を標的にした国に雇われている傭兵もどきと言われていた。国にはゲームで言うギルドがあり、そこでクエストを受けることができるのだが、冒険者以外にも人手不足などで代わりに派遣されるのが聖騎士だという。
魔族を実験材料としているギリアに対しては獲物を横取りされているような物なのであまりいいイメージではないようだ。
(そもそも魔族を実験台や実験材料にしている時点でおかしいのを指摘するのは…いや、出来ないな、元から魔人だったから、魔族の事なんて何とも思っていないのだろうな)
「しかし、戦闘能力は評価されるべきですねあの戦術は天才的ですねあの斬撃は躱すのも受け流すのも至難の業でしょう。防御壁を展開しても斬撃から自然発生されるかまいたちは無効化されませんからね」
防御壁の弱点は自分に向けられた攻撃を無効化するもので自分に向けられたものではない自然現象などは無効化は出来ない。
一般的に上げるとすれば冷気、液体窒素の入った瓶を投げつけると瓶の中に入った液体窒素は防御壁の対象には入らない瓶を投げた側としては瓶を投げて相手にダメージを負わせるためであり、割れた瓶からこぼれる液体窒素の冷気は自然発生した対象となり防御壁は自然発生したものは無害と判断してそのまま通すため防御壁で防御できるのは意図される攻撃のみである。
でも、かまいたちって風が原因としていなかったような…?
「聖騎士で出場者はエリアル以外にいなかったようだけどどうしてかな?」
ポツリと呟くとリリッサが身を乗り出して耳打ちをする。
「副隊長のマルネスはカジノで景品フルコンプリート目指して入り浸って隊員のナナハは人見知りなので注目されると吐き気が抑えられなくなるんですよね。フード被って自分の目を塞ぐぐらいでしか抑えられないんですよね」
「…私の魔神軍と勝らずとも劣らないキャラの濃さね」
「きゃら…?」
「んーん、何でもない」
次回4月27日月曜日予定




