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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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エキドナの提案

 「本題は別にある…と?」


 「そう、話は変わるんだけどね」


 そういうとエキドナ様は指で円を描くと魔王城とおじいちゃんの塔の直通のゲートと同じような穴が出来る。しかし、それは腕が通るくらいの小さな穴だ。


 「それって、マーリンの使ってた魔術じゃ…」


 「あっ、知ってた?これはちょっと違うんだよ…っと確かこの辺に…あった」


 そういって取り出したのは僕とカイとケイ三人はいれるようなドでかいビニール袋。その中にあるのはジャラジャラとなる、成人男性の爪サイズの欠片。


 「これは?」


 「エキドナの鱗、万病はもちろん、疫病、はやり病、ウイルスなんでもござれ、延命効果も粉末にしてさらに薬と混ぜれば効果倍増この世でこれに勝る薬なしのエキドナの鱗、愛しの弟が今生きていられるのもこれのおかげ♪」


 前に、リネアとマーリンと一緒にアフタヌーンティーをしていた時の会話を思い出す。


 「もしかして、あの余命宣告を取り消されたのは…!」


 「そう、これのおかげ、何年も生きていると鱗が何回も生え変わる時期がいくつかあるのよ、今がその時期って言うわけ、それで、やってもらいたいのは、これを粉末状にしたいのよ、あの子に飲ませやすいように」


 鱗を手に持ってみると軽いけど強度が硬い割ろうとしてみるが、ひびも入らない。


 「これを、粉末状にするのは握力が300キロいるからね、えいっ」


 エキドナ様はバキンッと片手で鱗を粉にした。


 「濃硫酸とかで溶かすのもいいけど、それじゃあ、飲めないし効果も薄くなっちゃうのよ」


 「いや、そもそも、んっこれ、割るのも…んっ、むず…かしい…はぁ、はぁ」


 「指先に魔力を集めて、ありったけの魔力をつぎ込むように、そうそう、そして粉にするように強くイメージして、鱗を破裂させるように、粉がまき散らないように手で包んで」


 言われたとおりにすると包み込んだ手の中でパキンッと音が鳴り包み込んだ手を開くと粉が出来ていた。


 「これを錠剤にしたり、このままオブラートに包んで飲ませたらいいのよ」


 カイとケイも興味を持ったのか見様見真似で真似をする。


 「先生!こんな感じでいいですか?」


 「うまいうまい、初めてにしてはセンスあるね…スーラ以来だよこんなにすぐに出来るのは」


 「スーラ?もしかして、いつも図書館にいるあの子?」


 「スーラを知ってるの?私の弟子第12号♪でも、潜在能力は今までで随一だよ」


 今まで図書館でしか見なかったから、非戦闘員なのかと思っていたけど、もしかして、戦闘が面倒くさいだけで、結構強いのかも…


 「エキドナ様は魔神軍に入っているのですか?」


 「私はダンジョンマスターどの魔人軍にも所属しないし所属させる気もない傍観勢ダンジョン作ってそこで冒険者がくればその子たちが最下層まで到達したら、歓迎パーティーと言う名の戦闘をするの」


 ダンジョンマスターか、書物で読んだことはあるけど実際にダンジョンに潜らないと出会えないものかと思った。


 「でも、ダンジョンを空けていいの?こうしている間に冒険者が入ったり」


 「…実は…最近最下層まで着く冒険者がいないのよ」


 溜息交じりに悲しそうな寂しそうな声に変わる。


 「私はラミアだった頃からダンジョンを作ってそこに住む事に決めていたわ。最初は20階層で冒険者は3人で私と戦った善戦したほうだとは思うし、あそこで彼らが脱出アイテムで逃げなかったら私がやられてたかもしれない、それから、ダンジョンをさらに深く作っているうちにハイラミア、ラミアクイーンに進化して最終的に100階層ダンジョンを作っていたの、でも最近の冒険者は弱くて…最下層までたどり着くことが出来ずに20階層で脱出したり、10階層の宝箱開けただけで満足したり、もう、暇で暇で」


 そもそも、百階層作ることが間違いなのを指摘するべきだろうか。


 「今まで、一番深く来た人も400年前に来た人よ68階層で疲れたのか脱出して、それから、だんだんと弱い人が集まったのよ、みんな10階層から20階層で脱出して…はぁ、軍隊アリならここまで来れると思ってわくわくしたのに、所詮アリはアリなのかしら、それとも深く作り過ぎたのかしら」


 それだよ、その深さが原因だよ。


 「そこで、相談なんだけどさ、魔王城に私が住めるスペース作ってくれない増築と言う形で」


 「へっ?」


 「そうねぇ、特に形はこだわらないけど身体をウンと伸ばしたりしたいから200メートルあったらいいわねぇ」


 「えっえっ?」


 「あっ、もちろんお風呂も作ってね、そうするとなると、お風呂とリビング、玄関に就寝スペースも合わせて、大きさは…」


 「えぇ…」


 それからしばらくして…


 「と、いう要望がエキドナ様はご所望で…」


 「あはは…それ、実際にやるとなると結構かかるねおねぇちゃん」


 「そうね、相変わらず先生は無茶ぶりと言うか、加減を知らないって言うか」


 ロザリーとナナリーでも、苦労するような人か…


 「でも、その様な場所が出来たら教え子たちにレッスンすることもできるよって言ってたんだよ」


 「あー、そう来たかー…」


 「実際に先生に毎日会いたいって言う子達も多いんだよねぇ、ダンジョンに帰ろうとするたび子供たちがしがみついて「行かないで」とか「連れて行って」とか「一緒に住もう」って教えは厳しいけどみんなに好かれているからね」


 「一応、会議の議題に入れておくか」

次回3月30日月曜日予定

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