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転生先は三代目魔王さまです  作者: 神坂将人
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実験体の末路

ふらふらとおぼつかない足取りで躓きそうなラファエルの隣にマーリンが並び、転びそうになるたびに優しく支える。


 「そうだ、モニカって、地下室を調べたんだよね、地下は何階まであるの?」


 「うーんとね、えーとね、のぼったり、くだったりね、するところがないから、わたしたちのお城のじょーかまちと同じ兼用の巨大施設なのかも、分かれ道もあるから、正確には言えないけど、これを見るに通路が多いから、部屋が少ないの、だから、外に出る通路以外には儀式部屋しかなかった、入り組んでいるけど、作った人自身迷うよ」


 説明しながら、地図を見せてくれる、行き止まりもあるが、少し戻れば前の分かれ道にすぐ戻れる。

 こんな簡単な道を作ってさらに、違う入り口も作り、そこには、もう一つの入り口から出はたどり着けない。

 

 「うん、明らかにきな臭いな」


 「そうだねーところで、きな臭いの[きな]ってどういう意味なんだろうね」


 「あれは確か衣や布の意味だったよ、木の臭いの[き]が香の意味で火薬の臭いがする意味から戦争や事件が~とか、そんな感じの」


 説明しているとマーリンがラファエルを支えながら歩調を合わせて隣に来る。


 「いやいや、そこは返答に困る所でしょう、もしくは、きな粉とか、言いましょうよ、当てずっぽうとか」


 普通に説明したのに何故ダメ出しをされたんだろう。

 雑談をしている間に倉庫に到着した。


 「うっ、ゲホッゲホッ」


 中はまさにいらないものを詰め込めるだけ詰め込んだような所で埃が積もっている様子を見るにめったに使われないガラクタや壊れた日用品しか置かれてない。


 「本当にこんなところにあるの…うひゃぁっ!!ぺっぺっ、埃が口の中に、うぇぇ、気持ち悪いよぉ」


 一人で愚痴をこぼしている間にマーリンが何かに気付いたようで隅の床を見ている。


 「モニカ、多分ここ、他の所より明らかに埃が少ないそこまで気を使う暇がなかったのか足跡に何か重いものをずらしたようにすり切れて床の材質が真新しいように色がクッキリしている」


 モニカがそこに立つが、扉のような物が無く周りを見渡したり、近くのタイルをペチペチ叩くが何の反応もない。

 むっと顔を膨らませると両手を組み真上へ持っていき渾身の力を込めて、床に振り下ろす。


 バキバキと破壊音が響いたと同時に床の一部がクレーターの様に出来て一か所だけ梯子が掛かっている場所がある。


 「はしごかくにん♪れっつごー!」


 そういう無邪気な笑顔は苦笑いで返すしか今の自分たちではそれしかできなかった。


 コツコツと梯子に足をかける音が何回も鳴り、先導していたモニカが足をかけた所からぼんやりと小さなあかりがついていく。

 頼りない光に導かれるように梯子を下りると静寂に包まれている空間に強い光が一斉に眼を眩ませた。


 「っ!!眩しっ!」


 眼を眩ましながらも薄っすら目を開くと大きな施設のような打ちっぱなしの壁打ちっぱなしの天井全てコンクリートブロックで出来ているような部屋だった。


 「これは、大きな空間ではあるものの上や通じていた貧民区には、音が完全に漏れない完全防音ですね、ですが、ここには埃が少なすぎる…異常と思えますね」


 マーリンが壁を軽く叩きながら分析している。


 「こんな事、不可能です…たった半年でこのような事は、少なくとも三年…いや、五年はかかるようなものなのに」


 技術か、魔法、魔術、もしくは、それ以外の何かともかく、この地下には絶対に知られてはならない何かがあるに決まっていそうだ。

 近くに扉はないかと探してみると壁の色に混じって白い大きな鉄製の扉があった。


 「…嫌な感じがするな」


 扉に意識を向けるだけで不穏な空気が漂ってくるのが分かる。

 

 意を決したように息を吸って扉に手を当てると取っ手が濡れているのに気づいた。

 

 「っ!ちょっと失礼します」


 マーリンが気づいたのか手を取りジッと見たり手で扇ぎ臭いを嗅いでこの液体が何なのか分からないのか、首を傾げる。


 「臭いはしないけど…粘液のような粘りが少しある…毒ではありませんがこのハンカチで拭いてください後、ここからは手袋をした方がいいかと」

 

 マーリンはそう言いながらポケットから紫色の手袋を手渡して自らも白の手袋を着用する。


 扉にゆっくりと手をかけて開くと扉は重厚な音を上げて開いた。


 そこには、大きな培養槽、ツンとした薬液の臭い、ゴウンゴウンと音を立てている機械、マンガやゲームでしか見たことないような研究所みたいなところだ。


 「これは…」


 近くの培養槽に近づくと中に入っていたのはまだ十歳にもなっていない子供の姿があった。

 しかし、体の至る所に機械が埋め込まれて、腕が半分溶けている。


 「…酷いな、これ…」


 培養槽の近くにかけられていたプレートには[実験体08号 血液適合 肉体不適合 処分]の文字が書かれている。

 他の培養槽にも実験体の結果が出されているしかし、全て処分の文字が書かれている。


 「…嫌だ、いやだあああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」


 悲痛な声を上げてラファエルが培養槽に張り付く、殴りつけて培養槽を壊そうとしているようだが培養槽には傷一つつける事が出来ない。

 近くの機械で操作している事に気付き、冷静さをかき乱して適当に操作をしてみると何かの弾みか、培養槽に溜まっている液体が徐々になくなり、機械から空気が抜ける音がなり、子供が外に出される。


 「あ、あぁ」


 そっと抱きしめようとしたラファエルの腕が触れる直前シュウウと肌が焼けるような音が子供の体から聞こえ瞬く間に子供の体は濃硫酸で溶かされたような無残な姿に変わる。


 「…えっ?あ、あ…血、血が…嘘…まだ、まだ触れてない、の、に…」

次回3月2日月曜日予定

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