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第24話 目覚めは遅く、猫は笑う

ちゅんちゅん、ちゅんちゅん。


 爽やかな朝の光。小鳥のさえずり。


嗚呼、なんて良い目覚め。そしてフカフカベッド…。


 CMとかに使われそうなワンシーンだと思う。ほら、ここ一階の部屋どけど意外と日当たりが良い。だから朝日とかが部屋に入ってくる。最高の部屋だよね。広いから見栄えも良いし。


 私の朝は、ペディグリーチャムから始まる…。


脳内にそんな言葉が浮かんだ。それぐらい爽やかな朝。でもペディグリーチャムは犬の餌じゃなかったっけか。まぁドンマイ。あはは。


 脳みそはまだ半分眠っているらしい。再び眠りの中に引きずり込まれそうになる。だってベッドが気持ち良いんだもん。嗚呼、自堕落な自分…まぁ良いよね・・・。


だって昨日は色々あったわけだし…もう少し眠っても・・・。




  ん?昨日?




ガバリ。瞬間意識は覚醒し、私はベッドから跳ね起きた。


 そうだ。昨日、昨日!!


 私は“前のアリス=リデル”について聞いて、眠らされたのだ。首筋にガツンと一撃が来て。ひどくない!? 私は知ってるんだぞ! 小説とかでよくある首筋に一撃やって気絶させる方法って実は結構危険で、寿命が縮むことだってあるらしいってことを!!

 くっそう、白兎め。か弱い乙女になんてことをするのだ。


あ〜あ、誤魔化された。今更聞きなおしに行くのも嫌だなぁ。もっと手荒なことをされたら大変だ。


これは…しばらく放っといた方が良いのかな。うん、ほとぼりがさめるまでってやつ。

 はぁ、白兎とビルに会うのが気まずい。


まぁ良いや。起きちゃったし取り敢えず着替えてご飯でも食べに行こう。食堂に行けばあるだろうし。



 私はベッドから立ち上がり、男物のパジャマのボタンを外す。大きめだからダボダボだよ。

ボタンを外し終えたのでポイッと脱ぎ捨てる。ズボンも脱ぎ捨てちゃえ。


 水色のドレスを着て、上からエプロンも装着。後ろでエプロンの紐を結ぶ。

 ちっちゃい頃はエプロンつけるときに後ろで結べなかったんだよねえ…。懐かしい思い出だ。


 その場に立ってクルリと一回転。ドレスの裾がフワリと広がり、フリルが少し揺れた。


「アリス、朝からファッションショー?」


クスクス笑う独特の声。それとともに、その言葉は聞こえた。


「・・・チェシャ猫さん・・・。」


窓の外の木からこっちを見ている。三日月型に笑う、特徴的な口元。ピンクと紫に彩られた猫耳。


 っていうか、このタイミングで声を掛けられたってことは・・・!!


「き、着替え覗いたんですかぁ!!?」


うああああ!この国ではいついかなる時でも回りに警戒しなくちゃならんのか!!


「へ? 着替え?」


あれれ、チェシャ猫さん。ポカンとしてるよ。これは見てなかったって解釈でOK?


「着替えしてたの? アリス。でも覗くわけ無いじゃん。三月兎じゃ無いんだし。」


うん。それもそうだな。良かった良かった。ふいー。

 あ、でもその言葉は間違ってると思うぞ。三月兎だったら絶対覗くんじゃ無くて襲ってくるから。


「あの、チェシャ猫さん。こんな朝から来るのは、何か用でもおありで?」


一応、そう聞いてみる。するとチェシャ猫はまたポカンとした顔をして、今度はクスクスと笑い始めた。


「ううん。アリス。別に用なんてないよ。それに今はもう、朝というには遅すぎない?」


え?マジ?今何時?

 キョロキョロと辺りを見回し、時計を見つける。振り子のついた大きな柱時計だ。


「えっと、今の時間は…。」


午前10時。


 うん。ごめん。ホント朝というには遅いわ。


っていうか。うん。


「ね、寝過ごした・・・。」


ヤバイ、ヤヴァイ、別にそうでも無いんだけど、予定なんか無いんだけど。


「朝ご飯…食べ損ねた・・・。」


 はぁ、タイミング良くここで「ぎゅる〜」とか鳴る程私の腹はユーモアには満ちていないが、鳴ってても不思議は無いと思う。かなりお腹減った。体に力が入らない。


 知ってるかい?朝ご飯を食べるのは大切なんだよ!!朝起きて一番最初のエネルギー源だもんね!!

朝ご飯を食べないと頭がボンヤリしたり、体に力が入らなかったりするんだ!! タイヘンだね!

 それに朝のご飯を抜くと、太っちゃうんだ! だからお相撲さんは朝ご飯を抜くんだよ!!

 何でかっていうとソレは朝ご飯無しで働いた体が、エネルギー不足に陥ってよりエネルギーを多く取る為に、お昼ご飯で得た栄養を必要以上に体に吸収するんだね!!体の仕組みって凄い!!


はい、なんかウザイ博識利出ちゃんの豆知識コーナーは終了です。因みに学校のポスターかなんかで得た知識。知ってる人も結構多いんじゃないかなぁ。


「朝ご飯食べたいの?」

「あ、えっと、はい・・・って、あひゃあッ!!?」


チェシャ猫の声に、反射的に答えたけど、予想以上に彼が近くに居たので驚いて変な声を上げてしまった。

 でも仕方ないじゃん? だってさっきまで窓の外に居たのが直ぐ近くに居たんだから。

流石不思議の国の住民、チェシャ猫。っていうかこんな論理で納得出来るようになった私の頭は、もう大分おかしくなってるんだろうなぁ……。


「……そこまで驚くー? まぁいいや。朝ご飯食べたいなら一緒に俺の家に食べに来ない?」


チェシャ猫が私の肩に手を置いてニヤニヤ笑いながら言った。


 う〜ん・・・どうしよう。折角誘って貰えるんなら行こうかな?お腹減ったし。

 っていうか、この人のお家。お家へ行くのか。


 気になる。これは気になるぜ。うん。


どんな家?ピンクと紫の縞縞?それとも、掘建て小屋、とか?

 っていうか猫だから、まさか茂みとかダンボール生活……!!?


 嫌だなぁ、それは嫌だなぁ。しかもわざわざマジックインキとかでピンクと紫の縞縞に塗ったりして、「マイホームです☆」とか言われて、妙なコダワリ見せられるのも嫌だな、ホント。箱入りのイケメンって絵的になんかキツイものがあるぞ。


 でも、そんな風に考え込んでる間にも、体はエネルギーを失い続けているワケで。

 段々「腹減った」という言葉が頭を侵食し始めた。嗚呼、この国のせいで私の頭はどんどん腐っていくぜ。


「じゃあ…お言葉に甘えさせて頂きます。」


もう、腹も減ったし彼のお家も気になるので、お誘いに乗ることにした。


「OK、アリス。じゃあ、しっかり掴まっててね。」

「へ? なん・・・」


「で?」と言い終える前に、ヒョイッと抱えられる。にゃ、にゃんと!! 今度は俵担ぎデスカ!?

肩に軽々と担がれる私って…体重増えてないの? アレ、でも現在成長期真っ只中ですよね。私。しかもこの国に来てから胃もたれする程栄養十分な食物ばっかり食った気がするんだけど。


「しっかり掴まっててね。っていっても落としたりはしないけど。あ、横抱きよりこっちのが早いから。ごめんねー、負担掛かるかもしれないけど。」


あ〜、落とさないって保証されてるのは良いな。グリフォンの時はヤバかったからね。落としたら御免とか拾えないかも、とか言われたし!!


 チェシャ猫が窓枠を軽々と越えて、木の上を走り出す。綺麗でしなやかな動きだ。カッコイイ。

流石猫を名乗るだけはあるんじゃないかな。猫も、洗練されたような優美な動きをするから。


回りの風景はビュンビュンと飛んで、夏の爽やかな風が体に当たる。


 でもさ、やっぱり俵担ぎは嫌だなぁ。知ってるかい? これって別名人攫い担ぎっていうんだZE!!


「あとどれ位ですか・・・?」


肩の上でプラプラ足と手を揺らしながらチェシャ猫に聞いてみる。


「ん〜?あともう少しかな。」


そう答える声は、全然乱れてない。こんなに速く走ってるのに凄いなぁ、と思う。


「さっ!アリス。俺の家は、あの森の中だよ。」

「え、あ、そうなんですか。」


うう、肩の上でぼうっとしてる私の方が息が荒い。まぁあんまり衝撃は来ないんだけど、それでも時々お腹や胸に衝撃が来る。


確かにチェシャ猫の言葉通り、あっちに青々と茂った森が見える。帽子屋さん達とお茶会をしてた所も、森の中だったけど、あの森とこの森は繋がってるのかなぁ。

 あ、そういえばグリフォンに乗ってお城まで行った時も、森が見えたなぁ。


そうこうしている内に、さっきまで遠くに見えた森にチェシャ猫さんが突入した。ちゃんと木は避けてるみたい。こんな速く走ってるのに、そんな余裕もあるんだね。



「はーいっ、到着ーっ。」


そう言って、チェシャ猫が急に止まる。その振動で、ちょっと私の体が揺れた。


「はい、お疲れ様。大丈夫?酔ってない?」

「あ、大丈夫です。有難う御座います。」


慎重に優しく肩から下ろされたから、痛みや衝撃は無い。

 因みに現在の私は、成長期で自律神経がちょっとおかしくなっていて、通常状態よりも酔い安いんだけど、特に酔ったりもしなかった。衝撃とかが最小限だったおかげだと思う。


「さて、ここが俺の家だよ。」


チェシャ猫がそう言って、手で目の前を指し示した。


「わぁ…。」


私は思わず、感嘆の息を漏らしてしまった。

チェシャ猫さんのお家、レッツゴー!!

 突撃!隣りの朝ご飯!!まぁ今現在は深夜ですがね!!


ではでは、眠い目をこすりながらコメント返信☆


はーい!!佳月様からです!


大丈夫!!前回思わせぶりなこと書きましたけど生きて生還しました!!

 ちなみに利出さんの武器は電気スタンガンだけど、私の武器は平凡にカッターです☆どうでもいいけど。

「更新が早くて嬉しい。」とのお言葉に胸キュン。っていうか佳月さんのお言葉って真っ直ぐストレートなんで一々キュンってなるんですよ!!

 嗚呼、私ってばアイリス様や佳月様、白国先生と色々素敵な方にコメント頂けて、超幸せvv




 狂う程に愛されたい、愛したい。

佳月様、いつかそんな風に愛し合える素敵な人が、見つかれば良いですね・・・。


 ちなみにこの物語は、最後のほうホント歪んできますからね!!住人の狂ってるところが露見するので、大変なことになりそうです。アハハ。

 それでも良いという方、読んでやるぜ!という方。

何処までも着いて来てください!!いえ、寧ろ私がその凛々しさに惚れて着いて行きます!(馬鹿)


 佳月様、コメント有難う御座いましたー!!

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