第四話 いざ異世界へ
ようやく全員出てきます。
定められた運命なのかは知らんが、薄々こうなると覚悟はしていた。
…まあ、異世界に行く度覚悟はいつもしてるけどな。←
どっちにしろ、俺にしか出来ない事だ。行くしか選択肢はない。
「……時雨、行っちゃうの?」
聞き慣れた少年の声が後ろから聞こえた。振り返るとそこには金髪と黒い翼を持つ少年、レディアが悲しそうな瞳で見つめてきていた。
…見かけによらず、まだ少し幼いところがあるレディア。
ともかく、返す言葉をなんとか探す。
「……ああ。仕方ない事なんだよレディア。」
いつもと同じように接する。でもやはり、どこか不自然でバレそうだ。
「ちゃんと帰ってくるよね…?」
目を若干潤ませながら子首をかしげる。…意外と女子力高いなコイツ…←
いや、レディアは素でやっているんだろうけどさ。本気で俺の事…心配してる……心の中ではそういった言葉が大量に渦巻いているのがわかる。
ふっと笑いながらポンポンと軽くレディアの頭を叩くと少し驚いた表情をして顔をあげた。
「大丈夫だよ。また、いつも通り帰ってくるからさ」
俺がそう言うと花が咲いたようにぱぁっと表情が明るくなる。
「本当に?」
「ああ。本当さ」
その笑顔につられて思わずこちらも笑顔になった。
「……だが、無茶は極力するな。」
今度は後ろから青年の声が。振り返ると長い銀髪をひとつにまとめた青い和服を纏った青年、蒼夜月詠(そうやつきよ)が立っていた。
「蒼夜…無茶は絶対やる自信があるぜ?」
ニヤリと笑いながら返すと蒼夜は溜め息をついた。
「……あのな…僕だって心配しているんだからな…」
「わかってるよ。…極力無茶しないようにやるよ。」
…まあ、きっと無理だけどな。←
だって、それが俺の性格だし?
「…ともかく俺は行くからな。」
「う、うん…!」
「わかっている。」
二人を残して俺は先へ進んだ。
「しぐ〜また行くの?アタシもついていっていい?」
今度は桃色の髪と金色の瞳を持つ少女、リットが俺にしか突撃してきた。…痛い。←
「いきなり突撃してくんな!リット!!」
「あー…ごめん。ついつい癖で」
「ったく…そんなんだから最近はフランも真似してき「しーぐーれー!!」ぐはあ!?」
今度は脇腹にクリティカルヒット!!←
流石に不意となればさっきのよりはさらに痛い。その痛い所に別の人物が抱き付いてきた。
「…フラン…お前まで」
「だって、いつも通りじゃつまらないでしょ?」
「だからってやって良いことと悪いこともあるからな!?」
さっき突撃してきたのは少し幼い金髪とサイドテールが特徴の少女、フランシア。外見通り、少々幼い。だからリットの真似をしてきたのだろう。
俺は溜め息をつきながらフランの頭を撫でた。
なんでかって?そりゃ…フランの心の中が寂しがっているから。
「えへへ♪」
「よかったね〜フーたん!」
「うん!」
無邪気にフランは笑う。…昔、出会ったばかりじゃこんな表情…出さなかったよな……
っと、思わず感傷に触れちまった。
「んで…しぐ。行くんだね?」
さっきまでへらへらしていた表情が消え、真剣な表情で訊いてきたリット。
「…ああ。」
「それが…貴女役目だからですか…」
いつの間にかユウサリもいて、その後ろには蒼夜とレディアも。
「……何だよみんなして…」
「いつも時雨は一人で行っちゃうからさ…」
「たまには良いだろう?」
「『おかえり』ばかりじゃねぇー…」
「みんなで見送りたい!」
「…そういう訳なんです。時雨」
ああ。確かに。
俺はいつも一人で異世界に行き
一人で帰ってくる
最初のうちは寂しかったが慣れてしまって
寧ろ"当然"になっていた
「……悪くは…ないな。こういうの…」
『いってらっしゃい』
みんなの声に頷き俺は術式を展開させた。
ちょっと無理矢理感が…←
何だかんだで時雨はみんなに愛されてます。




