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まるで高いとこからベッドに落ちたかのような衝撃を覚え、俺はベッドの上で目覚めた。


夢?いや、なんとなく違うような認識が振り切れない。

もしかして小説の読みすぎなどで、やっと降りかかってきた非日常な夢を諦めきれないのかな?


まぁ、それはそれでいいかな。別に中二病みたいて言われても、俺は他人に言いふらすほど痛いやつではないし。

とにかく、今はまず日常をこなさないと。


その日の俺は、普通に過ごした。

目が覚めたら、どこかでまた出会うじゃないかと言われた夢みたいな記憶をなぜか覚えていたが、何時、どこでの記憶でさえ自分ではわからなかった。それでも、本当に出会うかなとワクワクしていた。

まぁ、そんな出会いはなかったのだけれども。


だが何事もなく数日も過ぎて、このまま何もなく忘れてしまうはずだったこれらの記憶を、なぜか俺はまだ強く持ち続けている。


そんなある日だった。


コンビニで買ったアイスを齧りながら街を歩いている時に。突如、空より細い光の柱が無数に地に落ちてきた。


まるでSF映画に見るような、宇宙船が発射するレーザーみたいな景色。

周辺にいる者たちはそれらを見上げてはすぐに目を逸らした。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()


光の一つは俺のすぐ傍に落ちてきた。それは本物のレーザーではなく、だがその光に呑まれた人はそのまま姿を消してしまった。

跡形もなく。まるでその者自体が最初からそこに存在していなかったの如く。


「な、なんだこれは?」


俺は周辺を見渡す。だがさっきの光も、消えていった人も、だれ一人気づかなかった。

すべては()()()()()()()()


「嘘だろう・・・」


非日常を期待していた自分を笑ったことがあった。

望んだのは事実だ。だが非日常というのが、こんな出鱈目なものだったとは。


いや、分かっていたはずだ。

非日常と数えられている物語に、力が存在しているだけで暴走することも、人がそれをつかって大量な人を消し飛ばすことも、すべておこりゆることなのだと。

ただ、自分の目でそれを見なければ、その遠い世界に思わず憧れてしまっただけなんだ。

それもすべては非日常に比べ、自分がいる世界(ばしょ)があまりにも安全し過ぎたから。

所詮は高みの見物でしかなく、真実味など持てるはずもなかった。


「それでもあなたは望むのですか?」

「っ!誰だ?!」


タイミングがタイミングだけに、思わず大声を出してしまったが。俺はすぐにはっとなって、周辺を見る。

静かだ。静かすぎる。

光に何人もの人が飲み込まれていく中でも、街中では見渡せばいくらでもいる人だかりは今でもいる。

普通に歩いて、普通に駄弁って。何時もの日常の光景だった。

だが、それらから足音もなければ、話をしている者たちからは声すらしない。

日常生活の中で聞く音のすべても一切しなくなった。


「あなたは今、彼らとは異なる日常を体験しています、だからあなたからは彼らが見えても、彼らからはあなたが見ているものはすべて見えなく()()()()()()


声は、横からだった。

目を向ければ、そこにいかにもサラリーマンって感じのスーツの男が花壇の傍で座っていた。

平凡で、どこにもいそうなサラリーマン。見た目的には二十代か。

見た覚えはないのに、なぜか見知っているような感覚を覚える。


あの面接官?

いや、違う――


「そうですね。私は本来あなたの面接に担当するものでした。いろいろありまして、臨時に彼女に担当してもらったのです」


なるほど、だからなのか。

このなにかが歪んでいる感じはたしかに似ているが、なんというか、もっとスムーズというか、まともな感じがした。

記憶の中で感じたのとまた別。それに、そうと分かれば、周辺の景色が一気に怖くなくなってしまった。


俺はまた、普通とは違うところにいるように歪まれていたのか。


「概ね正解です。今あなたは完全なる個体として、いつもの日常とは異なる、非日常が認識される世界にいます。あなたをこちら側の側面の人間として認知を歪めました。なので私とこうやって話もできています」


スーツの男はネクタイなどを正し、立ち上がる。


「初めまして、小林 一輝さん。遅くなって申し訳ありません。少々時間が掛かってしまいましたが、お迎えに参りました」

「は、はじめまして・・・って、迎え?」


叩き込まれた礼儀により、混乱していることを余所に思わず挨拶を返したが、すぐにそんなこともどうでもよくなってしまった。


「迎えって、どこに?何をしに!?」

「あなたは採用されました。なので、仕事場の案内や仕事の内容を説明をと思いまして」

「採用・・・」


男は手を上から下に動かすと、そこに一つの扉が現れた。

フレームと門の本体しかなく、地面に置いているというより、まるで空中に見えない何かにくっついているような歪な印象を受けた。


「今、大の人手不足でしてね。あなたのような求められている以上の適正を持つものは大いに歓迎致しますよ、小林さん。ようこそ、『破壊神(G.O.D.)発遣会社』へ」


何気に毎日更新してきましたが、そろそろスピードダウンするかもしれません。


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