表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
234/285

234話 地脈の異変


 反乱の情報を聞いた俺たちは、急いで岩塩の採掘場へと向かった。


 白のカード使い、鳩村由依と連絡を取るためである。


 渦中にいるであろう彼女から話を聞ければ、色々なことが分かるはずだった。


 採掘場の現場責任者は、リシュー子爵の配下である。こちらについてある程度の情報を与えられており、ソルベスの村の人間と言えば会ってもらうことはできた。


 本当はここでユイと接触できれば最高だったんだが、さすがにそこまで都合よくはいかない。どうやら、前線に出てしまっているらしい。


 一応、ユイには伝言を頼んでおいたが、どこまで伝わるかは分からなかった。


 とりあえず、俺たちが連絡を取りたがっていること、重要な話があるということが伝わればいいんだが……。


 あと、ここでも反乱に付いて話を聞いてみたんだが、目新しい情報は手に入らなかった。ただ、北部全てが反乱に参加しているわけではないらしく、ゼニディアは反乱に不参加であるらしい。


 一旦、樹海の拠点へと戻り、今後の事を相談する。


「主、これからどうするのでありますか?」

「うーん……。そうだなぁ」


 本来であれば、ソルベスの村を経由してナール国へと入り、領都フーラを目指す予定だった。


 しかし、反乱が起きたとあっては、予定通りは難しいかもしれない。


「一度村へ戻って、情報収集をするか……」

「そうでありますなぁ。急ぎたいのはやまやまでありますが、内乱中の国は危険でありますからな」

「安全第一。いのちだいじにだ」

「儂も賛成だ」


 ワフとゼド爺さんも賛成してくれたし、じっくり情報収集をしてから行動開始だな。


 そう思っていたのだが、それに待ったをかける存在がいた。


「待ってください」

「フォル? どうした?」


 それは大精霊のフォルだった。しかも、彼女だけではない。その足元には小型化したガルフ=ナザがおり、俺の背嚢からはメーが顔を出している。


 精霊達から何か話があるらしい。


「地脈に混入する混沌の量が、数日の間にかなり増えています」

「ゴォ」

「メー!」


 フォルの言葉に同調するように、ガルフとメーも体を震わせた。彼らにも、同じことが感じ取れているらしい。


「それって、俺たちが塔を攻略して、混沌の王の居場所を知ったからか?」

「それが切っ掛けとなっていることは確かでしょう」

「影響はどれくらい出そうなんだ? 確か、混沌の量が増えたら、魔獣や精霊だけじゃなく、そこらの動物や人間が混沌化することもあるって……。そう言ってたよな?」

「今日明日、この近辺で急激に混沌憑きが湧き出すほどじゃないわ。でも、このまま混沌の量が増え続ければ……」

「混沌憑きが、湧き出す?」

「ええ。地脈の近くから段々と広がり、その内世界中に広がるでしょう」


 ある日突然、隣人が混沌憑きに変貌し、暴れ出す世界。地獄だ。


「猶予は?」

「およそ15日」

「まじかよ!」


 短すぎる! それじゃあ、移動するだけでもギリギリだぞ?


「ゼニディアを抜けて、一気に南下するか?」


 ポーション類や食料など、買い足す必要があるから、どこかの町によらなくてはならない。理想はフーラだったが、その時間があるか?


「それに、足の問題はどうする? 手札には足になりそうなカードはケツァールの王だけだが……」


 樹海ならともかく、ナール国内を飛んで移動するのはかなり目立つだろう。夜にだけ移動するとか?


 俺がブツブツと悩んでいると、ゼド爺さんが口を開いた。


「トールよ。焦れば事を仕損じるぞ。落ち着くのだ」

「あ、ああ。すまん」

「ゼニディアではまだお主の手配は解かれておらぬだろう。それに、ワフの顔も見られておる。拘束されるようなことにでもなれば、それこそ間に合わんぞ」

「それはそうか……」


 一度発見された後に力ずくで逃げ出せば、今まで以上に厳しい追跡があるだろう。そこで、顔がハッキリと割れてしまえば、今度こそ正確な手配書が出回るかもしれない。


「急がば回れっていうしな。フーラを経由しよう」

「うむ。村で馬を借りても良い。迷惑をかけるのは本意ではないが、そうも言ってられんしのう」

「そうだな」


 結局、俺たちは当初の予定通りに、ソルベスの村へと戻ることにした。


 俺たちはケツァールの王を召喚して、跨っている。


ケツァールの王

黄4 0/1 SR

飛行、破呪、増殖1

場から墓地に送られた場合、このカードを手札に戻す

モンスターを1体生贄に捧げる:ターン終了時まで+1/+1強化される。


 増殖能力を使ったことで、今は6体のケツァールの王がいた。俺、ワフ、エミル、ゼド爺さん、強化個体である虎人の大剣士、コボルトの狙撃弓兵が乗っているのだ。


 水原は自前のモアに乗りながら、バルツの森の主たちとともに陸路で追従してきている。


 足手まといである俺と水原がモンスターに乗っているおかげで、道程は驚くほどに順調であった。


 村には霧豹や黒煙火山の魔術師長を駐留させている。そこから戦力を補充すれば、樹海で減った俺の配下も賑わうだろう。


「村が見えてきましたぞ!」

「よし、何とか今日中には到着できたか!」


 何か、反乱について新しい情報があればいいんだがな。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ