表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/8

オレンジマフラー⑤




戦え、副店長。




戦え、オレンジ色の、ヤキソバン。






オレンジマフラー⑤






正直、アホかと思った。




「焼きそばでいいんじゃね?なんでヤキソバパンなんだよ」




文化祭出し物に圭介が推したのは"ヤキソバパン屋"。


誰もが、パンの要素は不必要だと言った。




「解ってないなー。ヤキソバパン屋と見せかけて、うどんパン、ラーメンパン、ソバパンを売るところがいいんじゃないか!」




圭介が呆れたように言う。




「ちょっと待て。なんだそのゲテモノパン屋は」




「あ。きしめんパンもいる?」




そういう問題じゃない。




「せっかく祭りなんだからさあ、普段食べないもの食べたいだろ?だからパンに色々挟もうぜ」




「色々挟みすぎだ!」




笑いながら言う圭介に、祥太郎を筆頭として皆が反発した。




ここまでキテレツなことを考える圭介の脳内を覗いて見たい……イヤ、それは止めておいたほうがいいか。怖いから。




*******




「ラーメンパンと、ソバパンひとつずつ下さい」




「あ、ハイ。200円です!」




「ありがとうございますー」




文化祭開始から2時間ほど。


俺たちのクラスのブースは、意外に盛況だった。




「何故売れるんだ」




最後まで拒絶していた祥太郎は、衝撃を隠せない。




あの話し合いの後、ヤキソバパン以外の検討が進められ、改良が施されていった。


どんな過程を踏まえたのか、俺は改良チームには不参加だったから詳しくは知らないけれど、ゲテモノパンは"美味しい"と言えるレベルまでに化けた。




「俺の考えに間違いなし!ヤキソバン大繁盛!」




大澤店長、大満足。


しかし店長、ヤキソバンって店名は今更ながらどうかと思います。




「本條副店長!あとは任せた!俺は秘書森野とライバル店偵察してくるから!」




「は?!ちょ…圭介!」




それはあれだろ。森野と2人でサボって遊びに行くってことだろ。




「あっちゃん、よろしく!あたしと圭介でヤキソバンのことも、ついでに宣伝しまくって来るから!」




今ついで、っつたぞ森野。




「ライブまでには帰るから!」




そう言い残し、2人は逃げるように去った。


おい、それは文化祭ライブの時間までサボるってことか?




森野がボーカルを勤める、圭介、祥太郎、俺の4人組バンドのステージが、4時間後にスケジュールが組まれている。




「あいつら、覚えとけよ…」




俺はヤキソバを焼きながら毒づいた。




売り子の沢渡の声が聞こえる。




圭介や森野も、彼女くらい真面目に励んでくれたらいいのにと思う。




オレンジの看板を掲げたゲテモノパン屋は、客足を途絶えさせることなく、賑わっていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ