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男たち 女たち  作者: yukko
氏郷
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48/73

誠の説明

誠が退院した。

そして、今、誠は高嶋家に居る。

昼食を摂った後、応接間で華子の両親と華子、そして僕とで誠と中井美穂子とのことを聞く時が、やっと来た。


「誠君、改めて……退院おめでとう。」

「ありがとうございます。」

「身体はどうかね?」

「はい、傷も随分癒えました。

 長い間、休んでいましたので、明後日から勤務致します。」

「そうか……それは良かった。」

「華子には迷惑を掛けました。」

「……いいえ……。」

「あれ程の事故で、後遺症も無く戻れたことは良かった。」

「はい…………お義父さん、お義母さん………お義兄さん。

 ………華子………中井美穂子さんのことを………。

 全て話します。」

「聞こう。」

「僕と中井美穂子さんは大学で知り合いました。

 大学の頃は別の女性と付き合っていました。

 彼女とは知り合い程度でした。」

「そうか………。」

「お付き合いされていませんでしたの?」

「はい。」

「まぁ……………。」

「変ですね。付き合っても居なかったのに、どうして子どもが居ると……。

 どうして、そんなことをご両親は思われたのかな?

 僕には全く分からないですね。」

「氏郷君、そうなんだ。僕も理解出来ない。」

「誠さんが理解出来ないのですもの。私どもに理解できるはずなどありませんわ。

 そうよね、氏郷さん。」

「あ……まぁ、そうですね、お母様。」

「誠君、聞きたいことはまだあるのだよ。」

「はい、聞いて下さい。」

「中井美穂子という方と、付き合っても居なかったのに、どうして同じ車に乗って

 居たのかい?」

「それは、彼女から連絡がありまして……僕の両親が彼女の子どもを引き取る。

 そう言っていると……その話し合いをしたいと連絡を貰いました。」

「連絡?………どちらに? 家には連絡など無かったわ。

 手紙も、お電話も……頂戴しておりません。

 あの方からは……手紙で? それとも、お電話?」

「華子、会社に電話が架かって来たんだ。

 それで、迎えに来ると言うことで、彼女の車に乗ったんだ。」

「そう……会社の電話に……。」

「車の中で話を聞いて、僕は両親を止めないといけないと思いました。

 事故が起きたのは、その時でした。」

「………君は、中井美穂子さんのことを………どのくらい知っているのだ?」

「大学は奨学金を受け取り通っていたと聞いています。」

「それは、本人からかい?」

「はい、大学の頃に聞きました。」

「他は?」

「お父さんが亡くなったということも大学の頃に聞きました。

 本人から聞きました。」

「他には?」

「覚えていません。」

「彼女が君に結婚を迫ったことは無いのかい?」

「あ…………それは………。」

「あったんだね。」

「はい、僕が知らない間ですが、両親に会いに行っていました。

 付き合っていると嘘を吐いていたようです。

 両親は相手にしなかったと聞きました。

 家柄が違うとか理由を付けて………。」

「そうか………他に何か無かったのかい?」

「………彼女が僕の両親に接した頃から……僕は付き合っていた女性と上手くいか

 なくなりました。

 それから、別れを告げられました。」

「恋人から別れ話を告げられたの?」

「うん、そうだ。

 けど、華子。その女性とは別れてから会っていない。

 彼女が結婚したと聞いてから、僕は見合いをしたんだ。」

「そうなのね。」

「他に聞いた話は無いのかい?」

「お義父さん、僕は今お話ししたこと以外は全く聞いて居ません。」

「………誠君。

 私は君と中井美穂子さん、旧姓・葛西美穂子さんのことを調べさせた。」

「僕と彼女のことを、お調べになったのですね。」

「華子のことを案じての行為だ。

 それは親の愛だと理解して欲しい。」

「分かりました。」

「これからいう話を聞いて欲しい。」


これから父が話す内容は、誰も知らないことだった。

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