大崎誠の退院
誠の退院が決まった。
調査も終了したと父から聞いた。
調査したことは華子に話していないと父は言った。
退院の前日に荷物などを持ち帰り、誠と華子の家に持って行った。
華子は「お兄様、ありがとうございます。」と頭を下げた。
僕は「感謝されるようなことをしていない。」と返した。
そして、退院当日は華子と両親が病院へ向かった。
退院手続きを華子がした。
大崎の両親も来ていた。
華子に義両親の話を聞かせたくなかった父は、誠に伝えた。
「退院手続きを華子が終えたら、病棟の看護婦さんたちにお礼を華子が言う。
受け取って貰える花束も用意した。
華子がナースステーションに置いて頂くように渡すと用意した物だ。」
「ははっ! 花束ぁ~、そんな物、貰っても有難くも無い。
どうして菓子折りなどにしなかった。」
「そうよ、高級な菓子折りだと喜ばれるでしょうに……。」
「金銭や物品の贈答は禁止されているので、華子なりに考えたんでしょう。
花束ならば受け取って貰えると……良いではないですか。」
丁度、その時、華子が来た。
「華子! ありがとう。嬉しいよ。」
「……えっ?」
「支払いと、花束。」
「あ………あの……………いいえ………。」
「じゃあ、華子。帰ろうか。」
「退院祝いはどうするんだ?」
「退院祝いよりも成さねば成らぬことがあります。
僕はこのまま帰ります。
お父さん、お母さんも帰って下さい。」
「退院祝いは?」
「しません。」
「はぁ~~~っ、退院祝いに親を招くのが嫁の務めじゃないのか。」
「退院を祝わないなんて………なんて嫁なの……。」
「嫁? 僕の妻です。」
「誠っ!」
「さぁ、帰りましょう。お父さん、お母さんもお帰りを!
お忙しいのに来てくれて、ありがとう。
では、ここで…………。」
「誠ぉ~!」
「もう、いいんだな。帰るぞ。」
「はい、どうぞ。」
「帰りましょう。」
「帰ろう。」
挨拶もせずに大崎の両親は帰って行った。
その後、誠は華子と両親と僕と……5人で高嶋の家に帰った。
帰宅して昼食を食べてから、応接間で誠から話を聞いた。




