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男たち 女たち  作者: yukko
氏郷
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親の暴走

中井美穂子の夫は誠のことを知らないと言った。

何故、大崎の両親が「俺の妻を詰るのか分かりません。」と言った。


⦅この男だ! 前の人生で華子を轢いた女性の夫だと言って謝罪に来た。

 名前も同じだ。

 中井美穂子と中井良太。

 中井美穂子は大崎誠と不倫してたのか?

 今も……前の人生でも……分からない。⦆


「お父さん、彼女は結婚して苗字が変わってるのに、どうして分かったんだ?」

「調べたからな。」

「調べた? 何故?」

「あの女は男の子を産んでいる。

 誠……お前と別れて1年以内に産んだんだ。

 お前の子に違いない!」

「お父さん、僕は無精子症だと話しましたよね。」

「万が一ということもあるだろう。

 お前と別れて直ぐに産んでいるんだ。

 お前の子に違いない!」

「いつ、調べたんです?」

「お前から無精子症だと聞いてから……調べた。

 子どもを産んでいるかどうかを調べた。

 そうしたら、産んでたんだ!

 神の巡り合わせだ!」

「お父さん、僕の子じゃありません。」

「否! 大崎家の跡取りに違いない!」

「お父さん……僕の子じゃありません。」

「誠! お父さんが見つけ出してくれたのよ。

 感謝しなさい。

 このままだったら、大崎家の子なのに中井家の子で終わるじゃないの。」

「だから! 僕の子じゃありません!」


堂々巡りだ。

大崎の両親と誠の話し合いは………。

それを、傍で聞いている華子の顔色は悪いままだった。


「兎に角! 子どもはこちらで引き取る。」

「止めて下さい!」

「後は親に任せなさい。いいなっ!」

「孫と暮らせるんですね。」

「あぁ! やっと念願が叶った。これで大崎家は安泰だ。」

「本当に………。」

「止めて下さい!」

「今から弁護士事務所に行くぞ。」

「行きましょう。」

「お父さん、お母さん、本当に止めて下さい!」


誠の言葉など無視して大崎の両親は出て行った。

カーテン越しに笑い声が聞こえて来た。


「ほら! 言った通りでしょう。誠!」


急いでいるのだろう。

中井美穂子に何も言わずに、大崎の両親は出て行った。

弁護士の事務所へ向かったようだ。

カーテン越しに聞こえて来た言葉は華子の心に刺さったナイフのように僕は感じた。

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