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男たち 女たち  作者: yukko
氏郷
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41/54

離婚?②

大崎誠がやっと帰って来た。

誠自身が帰国後、高嶋家を訪れた。

開口一番、誠は謝罪した。


「お義父さん、お義母さん。

 申し訳ございませんでした。

 僕が居ない間に、両親が……本当に申し訳なく思っております。」

「誠君、申し訳ないという君の気持ちは受け取った。」

「お義父さん! ありがとうございます。」

「ただ、受け取っただけだ。」

「はい。」

「率直に聞く。君は華子との離婚を望んでいるのかい?」

「いいえ!」

「子宝に恵まれないまま5年も月日が経った。」

「それは……華子の責任ではございません。

 ………子どもが出来ない原因は、自分にあります。」

「えっ?」

「…………誠さんに?」

「誠さん!」

「いいんだ、華子。

 隠すことが可笑しい。

 僕は無精子症だとの診断を受けました。

 重度の男性不妊です。

 ショックでした。

 その状態から立ち直れていないまま、僕は海外へ出張に行きました。

 両親は知らなかったのです。僕が無精子症だということを……。

 検査結果は海外へ行く2日前受け取りました。

 直ぐに華子にも言えませんでした。

 手紙で華子にだけ伝えました。

 本当に申し訳ございません。

 僕が直ぐに両親に話していたら、あんな酷いことは出来ませんでした。

 僕のせいです。 

 申し訳ございません。

 ………華子……ごめん。本当に済まなかった。」

「誠さん………いいの、私は………。」

「では、華子との離婚について君の気持ちを知りたいのだが?

 教えてくれるかい?」

「勿論です。僕は華子が子どもを望むのであれば離婚に応じます。

 もし、子どもを持てなくても良いのであれば………。

 僕は華子と離婚したくありません。

 だから……華子、離婚を決めていいのは僕じゃない。君だよ。

 君が自分の子を望むなら、僕とは離婚した方がいい。」

「誠さん…………私は子どもが居なくても、いいです。」

「本当に?」

「ええ、嘘偽りなく……。」

「では、離婚しないということで良いのだね。」

「華子が僕との結婚をこのまま望んでくれるのなら、僕は離婚しません。」

「お父様、お母様、私も離婚を望んでいません。」

「そうか……良かった。」

「…………でも、私は反対です。」

「お母様!」

「お義母さん……ご不満ですよね。」

「華子さんに対し、あのような態度の方々を義理とは言え親だとは………。」

「別居します。僕は華子を守ります。」

「本当ですか?」

「お兄様!」

「信じて頂けないでしょうけれども、僕は努めます。」

「二人の気持ちが同じ方を向いて居れば良いのだよ。」

「あなた………。」

「お父様。」

「お父様、そう仰いますが……二度あることは三度あると申します。

 今までも何も無かったとは思えません。

 あの親御さんが舅姑………華子には辛いことと思います。」

「氏郷、妹を案じる兄としても気持ちは分かるよ。

 だが、華子の人生なのだ。決めるのは華子であって君ではない。」

「……はい。」

「誠君、別居のこと、頼みます。」

「はい! もう家は決めています。」

「えっ?」

「華子、君が離婚しないと言ってくれることを、僕は期待していたんだ。

 期待を込めて海外に出る前から探してたんだ。

 候補が3軒ある。

 一緒に見に行ってくれるかい?」

「ええ、行きます。」

⦅意外だ……行動出来るんだ……。⦆「それなら、言うこと無いよ。」

「お兄様、ありがとう。」

「お義兄さん、必ず華子を守りますので、安心は出来ないでしょうけれども見守っ

 て下さい。

 宜しくお願い致します。」


離婚せずに親と別居するということで、華子の離婚は回避出来た。

華子は誠を信頼している様子。

僕は誠を信じることにした。

そして、父の言葉「華子の人生なのだ。決めるのは華子であって君ではない。」が心に突き刺さった。

これからは兄として見守ることに専念しようと心に決めた。

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