夫婦仲
華子と誠夫婦は、僕が案じたよりも仲が良いようだ。
華子の友人である吉田幸代と進夫婦と出掛けたりしているようだ。
その時に幸代の子ども達は、幸代の養父母や進の両親に預けて行っている。
交互に預けているようだ。
双方の親は丸一日孫と居るのは、可愛いけれども辛いが映画を見て夕食を食べるくらいの時間なら楽しめている様子だと聞いた。
先般など、二組の夫婦が高嶋家にやって来たのだ。
僕も父から呼ばれて妻子と実家に帰った。
「只今……ごめんなさい、お父様、お母様。
4人で伺いまして……。」
「本当に済みません。」
「こんにちは、お邪魔させて頂きます。
おじ様、おば様……済みません。」
「こんにちは、お久し振りでございます。
済みません、僕達までお邪魔して……。」
「そんなこと気にしないでくれ給え。」
「そうでございますよ。
私など、待ちかねておりましたから………。
吉田さんのお子さんに会えると思っておりましたわ。
ご一緒ではありませんのね………残念ですわ。」
「お母様、孫はうちにも居ますよ。」
「氏郷さんはそう仰いますけれども、幸代さんのお子さんは私にとりまして孫のよ
うな気持ちですのよ。」
「そうですか………ははは……。」
「おば様にそう言って頂けると嬉しいです。」
「本当に……なっ!」
「直ぐに目を合わせて……微笑ましいな。」
「そ……そんな……高嶋さん……揶揄わないで下さい。」
「揶揄ってなど居ないよ、事実を述べただけだ。」
「仲良きことは美しき哉。宜しいのではありませんか? お父様。
……………! 華子!」
「はい、お兄様。」
「君………誠君に蜜柑を剥いてあげてるのか。」
「あ…………お兄様………見ないで下さいまし。」
「あらっ、お兄さん。私も主人に蜜柑くらい剥きます。」
「いつも、剥いてくれてるよね。」
「ねっ!」
「あらっ、氏郷さま……貴方様も妻の私に剥いて欲しいのかしら?」
「いや……別にいい。自分で剥けるから……。」
「あはは……氏郷。君も蜜柑を剥いて欲しいのだろう?」
「違います! お父様。
ただ、華子が剥いたので驚いただけです。」
「華子、ありがとう。」
「…………………。」
「あ゙―――っ、目の前で妹が……見たくない。」
「お兄様………止めて下さい……。」
「氏郷さんも仲良くしているではありませんか?
いつも見させて頂いておりましてよ。」
「お母様! 僕のことは、いいんです。」
それからというもの……二組の夫婦の仲が良い様子を隈無く見せつけられた。
華子を気遣う誠の様子を見られて安堵した。
寒いだろうと自分のジャケットを華子の肩に優しく掛けた様子、直ぐに手を差し伸べる様子。
気遣ってくれていることが僕にも分かった。
出来れば、あの両親からも守ってやって欲しい。
兄としての願いだ。




