異常進化
鈴姉の父さんの運転する車で、空港施設に着く頃には、赤い空からオーロラが見え始めていた。
車のドア越しに鈴姉の父さんが、怪訝そうにオーロラを見ていた。俺は車から降りて、空を見上げる。
目を凝らすと、オーロラから小さな黒い斑点が無数に降ってきていた。
「鉄屑? オーロラが大量のゴミを捨てたみたい? 黒い物体が、だんだんこっちに近づいてくるわね」
いつの間にか、隣には車から降りた鈴姉が、同じように空を見上げていた。
「大きいなあ。あれ。まさか全部爆弾なんじゃ……」
俺は冗談を言った。
そういう気分になったからだ。
なんでかっていうと、本当に爆弾だったなら洒落にもならないからだ。
「え? なんだか。あの黒い物体。カプセルみたいに見えるわね? そう思わない? だって、円筒形で窓みたいなものがあるでしょ。ほら、あそこ! きっと、中央だけガラス張りになってるの!」
落下中の黒い物体は、確かに徐々に近づいてくるので、その物体がクルクルと回転しているにも関わらず。オーロラを反射する表面があるので、その円筒形のどこかがガラス張りになっているのだろう。確かに鈴姉が言う通り。空洞ができた巨大なカプセルのようなものなのだろう。
「うーん……爆弾じゃない? なら、なんだろ? あれ?」
光太郎は、目を更に凝らした。
「中に何か入ってるんだよ!!」
鈴姉のお父さんが、車の窓を開けて、叫んだ。
「カプセルの中に何か入ってる? え? え? 宇宙人でも入っているのかしら? なんだか不吉よ! 避難した方がいいわ!」
空港の近くの道路に、最初のカプセルが落ちた。
凄まじい衝突音と共に、道路の瓦礫など車や家屋の破片などをまき散らし。と、同時にカプセルの中身から、透明な水が爆発的に飛び散った。
ここまで、水飛沫が飛来する。
それを機に、次々と大量のカプセルの落下が地上を襲った。空港施設の外にある街の至る所から、地響きや破裂音が木霊してきた。
「光太郎! ひ・な・ん! 避難した方がいい! ほら、急ぐわよ!! お父さんの車に乗って!!」
「お、おう!」




