第8話 2学期
2学期に入り、部活も再開した。
毎日稽古に道具作りに追われる日々が始まった。
今回は主役は黒逸だが、新しく入った信也とさおりさんにも役者として出てもらうことにした。
2人は喜んだ。
それとは別に、1つ大きな誤算があった。
まひなが稽古中に捻挫をしてしまった。
治るまで、部活では衣装作りだけを担当することになった。
まひながいないと、男子生徒の入りも少し心配だ。
アクシデントはつきものだけど、まひなの怪我が治るのが第一と考える。
練習の合間に部長会議に出席した。
要件はわかっている。
10月の文化祭のことだろう。
行ってみるとやはりその話であった。
演劇部にも公演の枠が用意されていたが、僕はどうしようか考える。
文化祭なのでいつもの定期公演よりも変えてみたい。
あと学校以外の人も来るのでその辺も考慮しなければ。
練習に使っている講堂に戻ると、京志郎にその話をした。
「オリジナルでもやるか?それとも幅広い客層になるんだろう?今の昔話や童話をもっとスケールアップさせるか?」
「オリジナルなんて簡単に出来るものなのか?」
「俺を誰だと思ってる。……たぶん書ける」
「たぶんって、どっちなんだよ」
「あと俺としてはミステリーもやってみたい気持ちもある」
「じゃあ、オリジナル、昔話や童話、ミステリー、それぞれどんな話になりそうか、簡単でいいから書いてみてくれ。その後みんなで決めよう」
「わかった」と言うと、スマホで何かやり始めた。
なにやってんだろうとこっそり後ろから見ると、呟きサイトでポストをしていた。
フォロワー2万人!
クラスで僕以外ほとんど喋らないのに、ネットだと人気者だったんだ。
京志郎の新たな一面を知ってしまった。
このフォロワーを動員できれば、儲かるかなと思ってしまった。
そして、もう1人意外な一面がわかってしまった人がいた。
稽古の帰りにリーズナブルな価格で有名な店にみんなで行くと、杏奈が食べまくった。
男性陣の誰よりも食べている。
まひなに聞くと「昔からああです~」とのこと。
杏奈のあの元気なツッコミも、この食欲が源なのかもしれない。
さて、ここで文化祭の話をした。
みんな色んな意見を言う。
ただ1つ言えることは、みんな文化祭を楽しみにしていることだ。
成功するといいなと思った。
でもまずはその前に9月の定期公演だ。
ここで成功をして弾みをつけたいと僕は思った。




