第10話 文化祭に向けて
いよいよ次は文化祭である。
問題はなにを題材にするかだ。
僕は文化祭なのでスペシャル感が欲しいと思った。
京志郎に文化祭用の案が出来ているか聞いてみた。
候補は出来ているとのことで、みんなに意見を聞くことになった。
京志郎は資料を僕に渡すと「後は任せた」と言う。
やはり人前で話すのは苦手みたいだ。
代わりに僕が資料を読む。
「文化祭では、オリジナル、童話や昔話のスケールアップ版、ミステリーのどれかをやりたいと思う。それぞれについて、京志郎が3案を出してきてくれた」
「おおー」と康太が言う。
「3つの中から選ぶのね」と杏奈。
「では、1つ目はオリジナル。ミステリー×コメディ。話は、この演劇部を舞台にしたものだ。2つ目は白雪姫。大幅なアレンジが予定されている。3つ目はタイムカプセルから中身が消えた話」
僕はみんなを見る。
みんなは手元のあらすじを読みながら考えている。
中には京志郎に質問してくる者もいた。
「みんな、そろそろいいか?」と僕が聞く。
みんなが頷く。
「ではまず1のオリジナルが良いと思うもの」
まひな、杏奈、京志郎が手をあげる。
「次は2の白雪姫が良いと思うもの」
康太とさおりが手をあげる。
「最後は3のタイムカプセルが良いと思うもの」
僕、黒逸、信也。
3票、2票、3票となった。
僕は、2に投票した康太とさおりさんを見て、「1か3でもう一度投票していいか」と聞いた。
2人とも頷く。
「では1のオリジナルが良いと思うもの」
先ほどのまひな、杏奈、京志郎に加えて、康太とさおりさんもこちらに手をあげた。
決まりである。
文化祭はオリジナル作品で行く。
京志郎は「まじか」といった感じで苦笑いを浮かべた。
オリジナルは、舞台は部室だけであるが、各自セリフ量が多いのが特徴だ。
なので小道具や大道具、衣装は、言ってしまえば作らなくて良い。
ひたすら、台本の読み合いと、立ち稽古の練習に時間を使うことになる。
みんなが気合を入れて稽古に入る。
文化祭が楽しみだ。




