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霧島レナ4

「さぁさぁ、いっぱい食べて!」

「あ、ありがとう」


 今、俺は霧島家にもてなされていた。

 美味しい和菓子やジュースで歓迎されている。

 ま、まぁ和菓子とかジュースはありがたくいただくけど。

 あ、この羊羹とか美味しい!この饅頭も。


「おいしいでしょう?」

「うん。うまい」

「よかった~」


 嬉しそうに微笑む霧島レナ。

 他の男子が見たら好きになりそうな笑顔。

 だけどその笑顔が演技であると俺は知っている。

 霧島レナの一番の武器は演技力とコミュニケーション能力。

 誰でも親しまれるぐらいのコミュニケーション能力が高く、男女問わず仲良くしたくなるような演技ができる。

 そして霧島レナはその演技力とコミュニケーション能力で、俺を魔法士へと誘導しようとしているのだ。

 いや、今は友達になれるようにしているのかな?


「二人とも仲良いな~」

「夜一くん。これからもレナと仲良くしてね~」


 ニコニコと笑う美人夫婦。

 なるほど……ここで俺に「はい。わかりました」と言わせたいのか。

 この状況なら嫌ですとは言いにくい。

 だがな、俺はあんたらの計画には乗らないぜ?

 俺は口の中に入っていた芋羊羹を呑み込んだ後、ハッキリと言った。


「嫌です」


 俺の言葉を聞いて、霧島レナと彼女の両親が呆然とした。


「ど、どうして嫌なのかな?」


 瞳を潤ませる霧島レナに、俺は睨みながら強く言う。


「あざといんだよ、お前」

「え?」

「他の人が見たら気付かないだろうけど、俺には騙せない」

「な、なにを言って……」

「お前ら霧島家は魔法士協会の命令で俺のところに来たのは知っているんだよ」


 俺の言葉を聞いて、霧島レナの瞳孔が少し開いた。


「どう…してそれを」


 やっべ、なんで俺が霧島家のこと知っているのか言い訳を考えてなかった。

 ここは適当に。


「そ、そういうスキルを持っているんだ。だから魔法士協会が俺に目をつけたことも。霧島家が魔法士協会の駒だということも知っている。……呪いのこともね」

「!」

「とにかく!俺は魔法士にならないし、お前とも友達にならない!少なくとも演技して俺と友達になろうとしている奴なんかと仲良くしたくない!なにより()()()()()()()()という理由で強くなるのを諦めた奴なんか仲良くしたくない!!」


 俺は大声で叫んだ。

 少し言い過ぎたところもあるが、これで霧島家は俺に近付いてこないだろう。

 霧島レナは静かに俯き、拳を握り締めた。


「話しは以上だ。行くぞ、真白」

「グ、グア」


 俺は真白とともに霧島の家から出て行こうとした。

 その時、


「夜一くんに……なにがわかるの」


 恨むような静かな声を出した霧島レナは、ゆっくりと顔を上げる。


「!!」


 霧島レナは涙を流していた。

 苦しさと悔しさが混ざり合ったような顔で、俺のことを睨んできた。

読んでくれてありがとうございます。

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