霧島レナ5
「夜一くんに……なにがわかるの」
私は両親以外で初めて、人前で涙を流した。
だけどそんなことはどうでもいい。
今は私の胸の中にある感情を夜一にぶつけないと気が済まない。
「強くなりたくても強くなれないという現実に、どうやって抗えばいいの?」
私は何度も涙を流した。
「まだ子供なのに夢を諦めなくちゃいけないっていう絶望を味わったことある?」
私は何度も絶望して、部屋に閉じこもった。
「呪いがどれだけ苦しいか知らないくせに、勝手なことを言わないでよ!」
私は大声で叫んだ。演技なんて忘れて」
「強くなりたい!最高の魔法士になりたい!だけど……できないの。なら現実を見て、生きなくちゃいけないじゃん!」
私は蹲り、嗚咽を漏らしながら泣く。
そんな私の耳に、ハァとため息が聞こえた。
「お前は強くなれるよ」
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涙を流しながら蹲る霧島レナを見て、俺は心の中で慌てた。
どうしよう!霧島レナのガチ泣き!?
ここまでするつもりじゃなかったのに。
って、霧島レナの使い魔と両親がめっちゃ睨んできてるんだけど!
というか流石に女の子を泣かせて心が痛んだけど。
ああ~もう!しょうがない。ストーリーが大きく変わるかもしれないから黙っているつもりだったけど、教えるか。霧島家の呪いの正体を!
「お前は強くなれるよ」
俺がそう言うと、霧島レナは顔を上げた。
「え?」
「だ・か・ら……強くなれるって言ってんの」
「そんなの……無理だよ。だって私は」
「魔力放出体質だから?」
「……やっぱり知ってるんだ」
魔力放出体質。
体内に魔力を溜めることができず、強力な魔法が使えない。
使えたとしても普通の人が使うものよりも性能が低くなる。
魔法士にとっては呪いだ。
魔力放出体質は魔法士にとって邪魔でしかない。
そう……普通は。
「あのな……魔力放出体質は呪いでもなんでもないぞ?むしろ最高の武器になる」
「そんなわけ!」
「もしそれが呪いだと言うのなら、俺だって呪わているぞ?」
「どういう意味?」
「俺の属性の適性は無属性だけなんだよ」
俺の言葉を聞いて、霧島レナだけでなく彼女の両親も驚愕の表情を浮かべた。
属性の適性が無属性だけ。
それは魔法士にとっては呪いでしかない。
「だけど俺は魔霊を倒した。それはなにか?理由は簡単。俺が無属性に特化しているから。そしてこの呪いのメリットをよく知っているから。だから俺はその呪いを最大限に活かすために身体を鍛えて、ダンジョンを攻略しまくってる」
「呪いの……メリット?」
「そう。どんなものにもメリットとデメリットが存在する。目が見えなくなった人の耳が発達したのと同じ。魔力放出体質にもメリットがある。今からそれを教えてやる」
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