表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
994/1034

995.聖教国と神聖帝国

 ラファティは席についた後、鎖で繋いでいた一人に対してライトスラッシュを放ち、足に命中させた。魔法を受けた男は立っていられなくて倒れてしまう。皇帝は何事かとラファティを見るが、ラファティはというと満面の笑みを浮かべている。


「デイラ聖教国ではこうして祝いの席では異教徒をなぶるというのが習慣になっております。光の神ルーフ様を体現した光属性魔法にて、あのように異教徒に印を刻むのです。大抵は二発、当てております」


 再度ライトスラッシュを放つラファティだ。エリアル神聖帝国の皇帝と法王はその様子を眺めていたが、その後拍手をする。


「実に素晴らしい行いですね。我々も同様にしていきましょう」


 皇帝はラファティの行いを肯定しつつも、今この場では特に行わなかった。そして、皇帝が先に話し始める。


「さて、本題ですが、お互いに協力をするべき時に来ているという状況ですね。まずは貴国の状況について教えていただけますか? 両国の交流というものは初ですからね」

「もちろんですとも。デイラ聖教国はこのアスラロテ大陸の西岸に位置する国でして、南方未開地にも領土が一部ありますね。古くより存在する国で隣国のミリア大帝国などという国が分裂し、崩壊する中でも一貫して変わらず国として存続してきました。南方未開地には入植し、開拓を進めておりますが、あそこは異教徒や信仰心が低い使い捨ての聖騎士を送る場としています。我々は信仰心を図るための特別な聖遺物がありまして、それで密かに聖騎士や神官のこともチェックしております。これはあくまでも大神官以上しか知りませんが。南方未開地送りにした聖騎士は引き上げと同時にロプタス様の生贄にするという良いサイクルが出来ております。そして現状、ゼフティア大帝国なるくだらぬ国と戦争中です。そのゼフティア大帝国にはケラヴノス帝国などという国が支援をしているようでして、そこに手を焼いておりましてね。分断作戦に協力していただけないかと。分断できればゼフティア大帝国を滅ぼすことは容易でしょう。一部の貴族は離反してブルガテド帝国側につきましたので戦力が少ないのです。それから、我々のロプタス様は三年以内には覚醒する予測ですので、捕らえた騎士や住民は貴国のロプタス様に捧げていただいて問題ありません」


 ラファティはそこまで喋ると水を一口飲んだ。一気に喋ったので喉を潤したかったようである。

 皇帝は「酒はお飲みになりませんか?」と質問した。一応、酒も用意されている。するとラファティは「酒を飲むことは問題ないのですが、私個人としては人間としての欲望というものが酒が入ると出てきてしまう特徴がございまして、十二歳の頃から酒は飲んでいないのですよ。光の神ルーフ様に醜態を晒すわけにはいきませんからね」と答えていた。


「自分を律されているのですね。まず、貴国への支援はもちろん問題ありません。我が新生エリアル神聖帝国を構成するいくつかの国に支援に向かってもらいます。死を恐れぬ者たちですから、ゼフティア大帝国やケラヴノス帝国などという国で無差別に異教徒たちを殺させれば、そのうち支援する気もなくなるでしょう。軍を送る前に状況を混乱させるために破壊活動や恐怖をするような話の流布などを行いまして、それから騎士以外の一般人も殺害していくことで、恨みは買うかもしれませんが確実に戦意を削ぐことが出来ますよ。恨みを買ってもどうせ全員生贄に捧げるので何の問題もありません。すでに二つの国をそれで滅ぼしました。それから……他にもお話があると伺いましたが……」

「非常に助かります。それに参考になりますねぇ。すぐに試しましょう。それと……お察しのとおりでして、議題があります。貴国はロプタスの巫女についてはどうされておりますか? 我が国は逃亡されてしまい、さらにその人物が死んでいないようでしてね。新たなロプタスの巫女を擁立することも出来ないという問題が起きております。よって、警告に参りました。ロプタスの巫女は確実に幽閉するということが宜しいかと。また、戦争にご協力いただく際にロプタスの巫女を見つけた場合は捕えるか、殺害していただきたいのです。名前はルミア=ブライユ・アルベリックでございます。最優先ターゲットです」

「ご忠告を感謝します。エリアル神聖帝国にはロプタスの巫女については現状いないのです。候補が死んでしまいましたからね。貴国のロプタスの巫女を戦地で発見した場合については捕えることを約束しましょう。殺してしまえば、また巫女探しをしなければならないでしょうから」


 それから続いて皇帝が法王を紹介する。ラファティは立つと恭しくお辞儀をするが特に口を開かない。光の神ルーフを信仰する者では発言を許可する動作を相手が見せない場合、目の上の立場の者にたいして発言は出来ないのだ。法王は特に許可はせずに皇帝に合図した。皇帝とラファティで話を続けろということなのだろう。口を利くのは法王同士が良いのかもしれない。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ