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1013/1021

1014.過去の事件

 教会の神官はまだ話があるようで口を開く。


「光の神ルーフ様を信仰するというところは共通しておりますが、まったくの別の宗教だと認識いただく方が良いかもしれません。正直なところ、我々としてはそのように考えておりますね。ただ、光の神ルーフ様はこのような現状を決して望んでいないはずです。しかし、我々はあの者たちを認めていませんし、逆もまた然りでしょう。もしかしたら戦う、ということも念頭に置かなければならないのかもしれません。あちらは聖騎士といって国とは独立した独自組織を持っておりますが、メサ帝国では教会配属となった騎士も国の騎士団の特殊部隊という扱いです。要するに国にも仕えているわけですね。第五十騎士団、というところが教会担当の騎士です。第一から第二十騎士団までが近衛騎士だったり、領土防衛担当だったりしますね」

「ご回答いただきありがとうございました。光の神ルーフ様はエリアル神聖帝国にはそれなりに神託を出されているという状況なのですが、メサ帝国にはそこそこの時間、神託がないということについてはいかがでしょうか? 失礼でしたら申し訳ないのですが、私のように外部の者からしますと、エリアル神聖帝国による教義の方にテコ入れといいますか、傾いているような気もしておりますね……」


 メサ帝国でも光の神ルーフのことを強く信仰はしていそうであるが、ロプタスというまずいモンスターを作り出したりしているし、光の子や闇の子だと最近も神託を出してきており、エリアル神聖帝国を優遇しているように見えている。よって、なかなか光の神ルーフに対しては思うところはあるといえるかもしれない。しかし、対となるモンスターも生み出しているのでどういうことなのだろうかというところも感じていた。神官は悩んでいるようだ。その間に少し考えを巡らせる。


(確かにこの神官様のおっしゃる通りなのよね。エルマー地区、クリステル地区という二つの地区には確実に教会の教えが浸透していなかったし、エリアル神聖帝国内において疑問をいだいている方々もいらっしゃることでしょう……。そのうち戦いは発生すると思うけれど、仮に戦いで勝ったら、エリアル神聖帝国にいる神官の方々であったりの過激なところがなくなるのかどうなのか、といったところは気になるかもしれない。過激さがなくならない場合、各地でテロが起きそうだし、難しいことね……)


 そんなことを考えていると神官の考えがまとまったようだ。


「実に込み入った話ですね。ご指摘通り、メサ帝国には神託は出ておりませんね……。しかし、我々の考えといたしましては、メサ帝国は安定しているため、神託で何かを光の神ルーフ様に助言いただく必要がない状態ともいえるかもしれません。逆にエリアル神聖帝国といった国はまだまだ神託で道をお示しいただかないといけない状態であるのかもしれません」

「あっ、そういう視点では考えたことがなかったので勉強になりました。ありがとうございます」


 その後、教義の異なるエリアル神聖帝国の教会に対して根気強く説いていったらどうなるのかということを質問してみたが、神官曰く「それが出来たら理想ですね。しかし、以前に神官団を送ったところ、エリアル神聖帝国の帰り道で謎の死を遂げており、会話が成り立つのかどうかといったところですね」という回答である。唖然としてしまった。話を聞く限りエリアル神聖帝国の聖騎士あたりが惨殺したのだろう。そういう事件があるのであれば、会話で分かり合うというのももはや無理なのかもしれない。流石に一方的にやられてばかりというわけにはいかないだろうし、そもそもとしてその事件に対して報復をしていないのだとしたら、メサ帝国はかなり冷静だ。


「その事件はメサ帝国としてはどういった対応をされたのでしょうか? 他には何かあったりしましたか……?」

「メサ帝国は調査団を派遣し、事件があった場所を調査はしました。エリアル神聖帝国からは出国後のことなので何もわからないという話をしていましたが、あの国の聖騎士がつけている甲冑の破片が見つかっていますから、彼らの仕業なのでしょう。そういった話はしたのですが、そんなものはこじつけとして用意したのだろうという反論をされてしまい、議論は平行線のままに終わりました。元から関係が悪かったこともあり、さらに関係が冷え込みましたね。他には一度、別の国で小競り合いがありました。メサ帝国と良い関係にあった小国を突如としてエリアル神聖帝国が襲いまして、駐留していた騎士と戦闘になったそうです。その際には出来る限り抵抗をして時間稼ぎをしたのです。時間稼ぎをしている間にメサ帝国にその国の方々が逃げられるようにしたかったわけですね。しかし、エリアル神聖帝国のスパイがどこかのタイミングからその小国に紛れ込んでいたことから、用意していた転移石は破壊されてしまっておりまして、その国は滅びました。メサ帝国の騎士は捕虜となりエリアル神聖帝国に連れて行かれたそうですが、安否については分かっておりません」


 随分と嫌な事件があったということを理解した。エリアル神聖帝国はだいぶ強引な手段に出ているようだ。


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