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1006.攻防

 なお、さらに攻撃は続いており、ラファティからは黒い人の姿をした何かが結界に大量に伸びてきてぶつかり続けている。チラッと見るとその黒い人たちは何かを叫んでいるようであるが、何を言っているのかは分からなかった。これはロプタスによって吸収された人々なのだろうか。攻撃が止むことはなく、なかなか反撃するタイミングがない。


(恐らくは……ロプタスの巫女しか聞こえないのでしょうね。ルミアには聞こえるのかもしれないし、こんなに沢山の人たちの声が聞こえたらつらいと思う……。見えるだけでも数十人はいるような。でもこれって、ロプタス戦の予行練習になっているのでは……?)


 恐らくはロプタスもこの攻撃を繰り出してくるはずだ。インフィニティシールドによる結界は貫通できないということがわかっただけでも得られるものがあったかもしれない。しかし、全方位を結界で囲まないといけないということも分かる。黒い人のような何かはあらゆる方向から手を伸ばしてきているのだ。


 もしかすると聖属性魔法を詠唱すれば消滅させることが出来るかもしれないが、ここで消滅させてもロプタス本体側にはこの魂の残滓のようなものが残るような気もしている。聖属性魔法を使えば聖女であるということがバレてしまうし、そこはロプタス戦まで手の内を明かさないようにしておくつもりだ。この状況を前向きに捉えるが、ひとまずはロプタス戦がなかなかに大変だということはとにかく理解できた。

 

 リゼはというと考えがある。ラファティを囲むように結界を張ったのだ。すると結界にラファティの攻撃がぶつかり、こちらまで届かなくなるので素早く審問官に対して「エレキレイ」と詠唱した。一瞬で雷が一点に凝縮し、凄まじい速度で放たれる。これはパッと見は光属性魔法のように見えるだろうし、詠唱しても問題はないと判断した。しかし、審問官はというと瞬時に魔法をかわしきってきたが、体勢を崩すことには成功する。


 リゼは即座にレノルド・ハーヴィーの側によると彼の周りに展開していた結界を解除して、手を掴みつつ、審問官には神器で思いつく魔法を何発か詠唱して、この広間を出た。


「召喚、アルカディ。その神官を抱えてください」


 アルカディは状況を察したのか何も言わずにレノルド・ハーヴィーを抱えると、ウィンドウェアーを詠唱して素早さを上げたリゼの少し後ろを走ってくれる。そして、上の階を目指していき、なんとか塔の上のあたりまでやってきた。塔に通じる階段には結界を展開しておく。ラファティは姿を見せていなかったリゼの今までの監視に気づいていたということで、この塔に逃げたことも分かるかもしれない。とにかく今は脱出だ。すぐにシグを召喚し、アルカディを封印後、神官レノルド・ハーヴィーを抱えてもらいながら急いで飛翔してもらう。


(あの審問官、エレキレイを避けるとは……。あれって相当スピードが早い魔法なのに)


 ラファティも強かったが、審問官も問題だと感じている。もしかすると審問官たちは機関の幹部よりも強いかもしれない。一瞬の攻撃を見切って来たのだ。

 なお、ラファティ自体はロプタスの力を行使できる上に、現在の強化されたロプタスの力を使えるので相当に厄介だ。また、こちらの存在をすでに感知していたということは、何かしらの感知する力もあるようである。彼の監視は危険であるため、今回を最後にやめた方が良いかもしれない。戦闘ウィンドウが使えず、さらにヴィズルによる介入も感知して思考を読めないようにガードもしてきていた。ロプタス戦は相当に大変なものになるかもしれないということも分かる。


 そんなことを考えるのだが、現状は海の方に向かっていた。仮に見られている場合に海の向こう側に本拠地があると思わせるためだ。


 そして、海に出てしばらく出たところで転移してレガルナス公国へとやってくる。神官レノルド・ハーヴィーは動けるようであるので、この国に害を加えるような思考はないようだ。ひとまずは城に案内すると応接室へと連れてきた。


「ここまで黙っていて申し訳ありません。ここはレガルナス公国です。レノルド・ハーヴィーさん、もう安全です」

「レガルナス……ありがとうございます。ここまで来れば安全ですね……。私は元々教会自治区の神官です。もう把握されているようですが、レノルド・ハーヴィーと申します。色々と情報を持っておりますが、燃やしたのは一つの記録です。このように破片になってしまいましたが……」


 レノルド・ハーヴィーは紙の切れ端を持っていた。


「その記録を持ち出して、ネドラ皇女殿下側の地区に向かおうとされていたのですか?」

「えぇ。いや、違いますね。正確には出国して同じ光の神ルーフ様を信仰するメサ帝国を目指そうと考えておりました。今の皇帝陛下、いえ大神官のやり方では、光の国の本来の意味での実現には程遠いため、話し合いたかったのです」


 神官にも考えがあるようだ。メサ帝国とは例の脱出劇の一件より良い関係を築けている。連れて行くこともやぶさかではない。

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