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「此方がお嬢様のお部屋となります。
御用の際は枕元、もしくは机の上に御座います
ベルをお鳴らし下さい」
荷物を運び終えたメイドは
リリスの部屋のドアを音もなく静かに閉めた。
「何か落ち着かない部屋ね」
子供に似つかない低い声が
リリスの口から漏れる。
部屋に対する第一印象それだった。
朝、リリスは支度を終え
フランクの無精髭で痛い抱擁を避け
アンネ同伴の元
馬車に乗って学園に着いた。
校門前で親元を離れる寂しさを
隠しきれない少女を演じた後、母親と別れ
学園付きのメイドに自室へと案内される。
道中メイドとの話によると
授業自体は明日から始まるらしい。
今日は荷物整理や明日に向けての準備を
する様にとのこと。
メイドから学園内の案内も申し出られたが
リリスはやんわりとお断りをした。
そして
案内された部屋の中には
目が痛くなる様な煌びやかな
調度品の数々が並べられていたのだった。
その中でも何より目がいってしまうのは
明らかき異色さを放つのは
全体的に淡いピンク色のフリルが
たくさんついた天蓋付きベッドだ。
それだけに留まらずベッドの枕元には
クマやネコ、よく分からない人形が
所狭しと並べられている。
リリス自身の趣味とは合わないのだが
すぐ様彼女はベッドに飛び込んだ。
慌ただしい週末を過ごし
体力的に限界を迎えていた彼女は
父様のお節介ね、と短絡的な解答を導き出し
精霊避けの魔石を枕元に置き
柔らかなベッドに身を委ね、睡魔に身を任せた。
リリスは夢を見た。
今より少し幼く、
リリスがリリスとなった頃の夢を。
リリスは物心着いた頃より
違和感を感じていた。
誰もいないはずの部屋にいても
小さい“何か達”が
自分に話しかけてくるのだが
確かにそこにいるが触れることが出来ない。
彼女は謎の生き物に最初は
恐れを抱いたのだが
よくよく観察してみると
ただ彼等は臆病なのかは分からないけれども
フランクやアンネが近くにいると
急に黙り込む習性を見つけた。
また、彼等はリリスの前では
横暴であったが博識であった。
リリスの身体から何かを強引に掠め取ると
リリスには訳の分からないことを
機嫌良さそうにペラペラと話した。
曰く久方振りの適合者らしかった。
ある日、リリスはいつも彼等に
されてばかりいるのは
気に入らないと思い
彼等の中の1番小さい緑色の者に
彼等がリリスにする様
同じことをしてみた。
その直後
リリスの身体に大きな異変がおきた。




