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「どうじゃ、うまかろ?うまかろ??」
シルビアはリリスが
まだ一口も手を付けていないのに
感想を急かす。
余程の自信作なのであろう。
「んんー!!」
リリスがハンバーグを頬張ると
肉汁がジュワーっと口の中に広がった。
次に肉の油っぽさを抑え込む様にトマトの酸味が
口に広がり絶妙なハーモニーを奏でる。
「妾は罪な女じゃな……」
リリスの反応を見るなり
シルビアは遠い目をして
よく分からないことを呟き始める。
「幼い子供をもう妾なしでは
生きれなくしてしまった」
「シルビアちゃんは
何も手伝ってくれてないよね!?」
すかさずテレジアからのツッコミが入った。
実はそうなのだ。
シルビアは煮込みハンバーグ、もとい
料理には一切関与していない。
盛り付けが出来る程度だ。
シルビアが常々やっていることと言えば
水魔法を用いてフィギュアを作ること
決めポーズを考えること
テレジアが不在の時に客が来れば
厨房に隠れることしかしていない。
「何を言っておる。“誘惑する罠”は妾の配下。
テレジアの物は妾の物、妾の物は妾の物じゃ!!」
テレジアは一瞬呆れた顔をするが
満足そうではある。
同じ穴の狢なのであろう。
「“誘惑する罠”か……
ちょっとカッコイイかも」
などと呟きニヤニヤしている。




