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「おお、我の叡智を司る従順なる眷属よ!」
シルビアはリリスを見つけると嬉しそうに
駆け寄ってきた。
「こんにちは、シルビアさん」
「わ、妾はシルビアなどでは無いと言っておろうが!!」
少し間があった後、シルビアは慌てて訂正する。
心做し少しテンションが高い気もする。
「それより見るのじゃ!
主が眷属となって以来我が店への巡礼は
留まることがない!!」
どうやらエリーゼによる仕打ちは
記憶から抹消されている様だった。
元々シルビアは容姿も悪くなく
むしろ美少女の類いだろう。
徐々にであるが彼女のファンも
増えているに違いない。
シルビアがポーズを決める度
黄色い声援が聞こえるのがその証拠だ。
「主は腹は減っておらぬか?
今宵から“紅き血潮に埋もれし者”が
我が配下に加わっての?」
―――ぐぎゅるるる
まるでタイミングを示し合わせたかの様に
リリスのお腹が鳴る。
リリスは昨日から何も物が通らず食べることが出来ていなかった。




